サーキットを走る前に準備すべき11の道具

車でサーキットを走ってみたいという人は数多いと思うが、実際に走るために何を準備すればいいのかわからないという人がほとんどだろう。もっともよい方法はサーキット走行が趣味の友人を見つけることではあるが、なかなかそうもいかない場合もあるだろう。

というわけで、安全安心にサーキットを楽しむことができ、軽くクラッシュしてしまった場合でも家に帰ることができるために最低限必要なものをリストアップしてみた。これさえトランクに詰め込んでサーキットに行けば、自分自身の安全を確保することはもちろん、誰かを危険にさらしてしまうことも少なくなるはずだし、問題が起きた場合でもどうにかして自走で帰ることができる。

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ドライバーの装備

兎にも角にも自分自身が安全な装備を身に着けることが重要だ。しかし、高級なヘルメットにHANS、FIA規格のレーシングスーツなどをそろえれば間違いなく安全性は向上するが、とんでもない金額になってしまうためとてもそれを人にお勧めはできない。最低限揃えれば安心、というレベルを知ることが大切だ。

ヘルメット

とりあえずこれがないと始まらない。ヘルメットの形状はフルフェイス、ジェット、システム、ハーフ、オフロードなど様々あるが、少なくとも耳が隠れないハーフヘルメットは選んではいけない。安全性に欠けているし、大抵のサーキットではハーフヘルメットの使用が禁止されている。ジェットやシステムヘルメットでも確かにいいのだが、できれば最も安全なフルフェイスをかぶりたい。

これを選べば間違いない、というレベルとなるとやはりARAIのGP-6シリーズになる。中でもGP-6Sは四輪用ヘルメットとしてはARAIのラインナップ中最も安価だが、FIA規格にも通っておりHANSアンカーも装着可能という点で非常に優れたヘルメットだ。でも高い。

というわけで僕がオススメするのはバイク用ヘルメット。なかでもOGK社のヘルメットはコストパフォーマンスに優れている。僕はポケバイで遊ぶために名も知れない激安フルフェイスを買ってみたことがあるが(3000円ぐらいだった)、ひどくぺらぺらで全く守られている感じもなく、とても安全性を確保できているものではなかった。OGKカブトシリーズは安価だが造りはちゃんとしているし、かぶり心地も悪くない。またバイク用ということもあって軽量なので首への負担もすくない。まともなヘルメットが欲しいのであれば最低でも1万円台のもので、名の知れたメーカーのもの選ぼう。

豆知識だが、バイク用ヘルメットは四輪用より左右の視野が狭く、上下の視野が広いという造りになっている。

グローブ

レーシングカート用のグローブであれば安いのは5000円ぐらいで買える。まともなものを一つ、というのであればそのあたりの金額のレーシングカート用を選ぶのがいい。割とまともなメーカーから数多くのグローブがその価格帯で売られている。

そうは言いつつ、できる限り安く収めたいと思うのは当たり前だ。そういう人にオススメなのは「メカニックグローブ」。その名の通り車両を整備するときなどに使うグローブなのだが、これは割と丈夫だし、手のひらに滑り止め加工もしてあるし、手首をベロクロで止められたりとかなりお勧めできる。一つ難点を上げるとすれば、手首の長さが短いこと。できれば上のカート用グローブのように手首部分を長くとって、服の袖の上にその部分を重ねることで肌の露出をできるだけ抑えるほうがいい。ただ、コスパという点ではサーキットドライビング専用にメカニックグローブを一つ買っておくのも悪い選択ではない。間違って車両整備に使ってしまうとハンドルが汚れてしまうので気を付けよう。

シューズ

いわゆるドライビングシューズと言われる、靴底が薄く踵部分が丸くなっているものがふさわしいが、普通のスニーカーでも問題はない。やたらと大きかったり底が厚かったり装飾品がついているのは適さないが、そうでない運動靴の類であれば大丈夫だ。靴紐が長すぎるとペダルに引っかかるおそれもあるので、適度な長さでしっかりと結ぼう。ただドライビングシューズは普段のドライブでも使えるので、運転が好きでよく長距離を走るのであればそういうときのためにもとてもオススメできる。靴底が薄いので歩くのには少しいまいちなのが欠点だが、ペダル操作がやりやすかったり、ブレーキのタッチやクラッチの繋がりがはっきりとわかるようになるなどメリットは大きい。

長袖長ズボン

できればレーシングスーツを着るべきなのだが、やっぱり高いしわざわざ買うのもなんだかなぁって気持ちはすごくよくわかる。ので、ここに関しては普段の格好で構わない。できるだけ動きやすい服装が好ましい。サーキット走行は意外と疲れるので、冬場以外は中に薄手のシャツを着て、外に動きやすい素材の長袖を羽織る、というのがベストだろう。七分丈だったり半袖だったりってのは論外だ。できる限り肌が露出しない格好をすることを心がけよう。

注意したいのは、上着やズボンにあまりツルツルした素材を選ばないということ、ダウンジャケットのような厚手のものを選ばないこと、そしてできる限り化学繊維は避けるということだ。ツルツルした素材や厚手の上着はシートとの相性もあるが運転中に姿勢がずれてしまって不安定になる。そして化学繊維は燃えやすいので、万が一車両から火が出た場合にとても危険だ。

車両関係

ジャッキやウマ、工具箱にケミカル類など、サーキットを走るにあたり持っていたらいい物は無数にあるが、サーキット初心者にとってそんなものは不要だ。最低限持っていればいいものは養生テープとクロスレンチ、そしてエアゲージ。それにガムテープなどを加えることで、車両が軽く破損してしまっても家に帰れる程度の準備をしておこう。

養生テープ

初めてのサーキットは走行会、というパターンはとても多い。そして走行会での必須アイテムともいえるのがこの養生テープだ。普通のガムテープとは違い粘着力に劣るが、強度が強く簡単にはがすことができる養生テープは、ライトのテーピングやゼッケンを貼るのに適している。タイムを計測するための発信機の取り付けに使うのは脱落の危険があるためあまりお勧めできない(それはガムテープで行おう)。今どきガラス製のヘッドライトなんてないのでテーピング不要のサーキットも多いが、一つ持っておくととても便利だ。

クロスレンチ

その名の通り十字型をしているレンチは、ホイールナットを締めるのに使用する。ただ注意したいのは、今回の場合においては今締まっているナットをより強く締めるのではなく、ナットがちゃんと締まっていることを確認するために使うものである、ということだ。サーキットでホイールを脱着するならばともかく、初心者がそんなことをすることはほぼあり得ない。サーキットを走る前に、クロスレンチを使いすべてのホイールナットがちゃんと締まっているかを確認しよう。万が一緩んでいると大事故につながる場合がある。

そういう意味で実際のところはトルクレンチのほうがオススメなのだが、クロスレンチに比べると値段も高いし、トルクレンチの使用方法を誤ることはあれどクロスレンチの使い方を間違えることはほぼあり得ないのでまずはこちらのほうがオススメ。サーキットに行けば必ず誰かが持っているので貸してもらうことも可能だが、かなり安いので1個持っておいても損はない。

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エアゲージ

タイヤのエア圧を調整するための必須アイテムがエアゲージ。高いのから安いのまで数多くの種類があるが、上のもののように針が動いてゲージとエアの差し込み口がホースでつながれているもののほうが使いやすい。もちろん一体型でも問題はないが、操作には若干の慣れが必要だ。

サーキット走行を行うとタイヤが熱くなってエア圧が上昇するが、この時エア圧が上がりすぎるとトレッド面の剥離などの問題が発生する場合がある。適正なエア圧に合わせることが重要だ。運転席のドアを開けるとどこかに適正エア圧が表示されているが、基準としてサーキットを走りタイヤが温まった状態(温間)でその適正エア圧の+0.2kg/cm2程度なら問題は起きにくい。逆に大幅に低いとタイヤが破損する恐れがあるので注意しよう。そうならないために、サーキット走行前に記載されている適正エア圧より0.2kg/cm2ほどエア圧を下げておくとちょうどよくなるだろう。また、サーキットから帰るときにはタイヤが冷えていることを確認したのちに適正エア圧まで戻しておくことを忘れないようにしよう。

ガムテープ

あまり考えたくはないが、万が一クラッシュなどをしてしまってバンパーが外れてしまうなどの事態が発生した場合に役立つのがガムテープ。自走にて家に帰ることはできるが脱落しそうな部品がある場合には、ガムテープで強固に固定することが可能だ。強度の問題もあるのでいわゆる布ガムテープが適している。

また、養生テープの欄でも記載したが、タイム計測用の発信機の固定も用いるので工具箱に一つ入れておこう。あれ、紛失すると結構高い値段を請求されるので注意が必要だ…。

結束バンド&ニッパー

何かが脱落してしまったために固定したい場合、結束バンドが有効になることもある。結束バンドは割と強度があり、またつなげることで長くすることができるので、様々な場面で活躍が期待できる。あんまり活躍させないほうがいいのだけども。もちろんタイラップの余った部分を切断するためのニッパーも一緒に用意しておこう。

軍手

いざサーキットに行けば特別何か作業をする、ということは、車両のセッティングを出したいという目的などがない限りほぼない。つまりサーキット初心者であれば何か車体に関して整備のような作業を行うことはほぼないのだが、軍手を一つ持っておくことは重要だ。マフラーなどの熱源に素手で触ってしまうことや、手に油汚れが付くことを防ぐことができる。ガムテープなど同じく、万が一に備えるという点で重要なアイテム。

箱にまとめておくと便利

上にあげた道具はサーキット走行中には車から降ろしておくので、これをひとまとめにできる箱があると便利だ。箱に入れておけば風で道具が飛ばされてしまう心配もなくなる。僕はリストアップしたものにSJCAMを追加して、コストコのアンモボックスに収納してサーキットに持ち運んでいる。クロスレンチは入らないが、重量があるので風で飛んで行ったりしない。最低限の荷物でサーキットを走るときは本当にこれだけしかもっていかない。これしか持っていなくても十分に楽しめるほどサーキット走行は気軽だ。