アライメントゲージを自作し、RX-8のアライメントを調整する

アライメントを取りたいんだけど、いちいちお店に出すとそのたびにお金がかかる。かといって感覚に任せて適当にやるのもちょっと怖いものがあるよね。アライメントの測り方としてはいろんな方法があるけども、なるべく簡単に測れるようなアライメントゲージを自作したい。

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自作アライメントゲージ

3000円でアライメントゲージを作る

というわけで用意した材料がこんな感じ。

  • アルミ アングル材(25mm×25mm)2mと1mを1本ずつ
  • 40cmの定規×4本
  • 釣り用の重り×2
  • 細い釣り糸

それ以外に水平器やボルトナットも用意したけど、実際には使わなかった。水平器は使ってもいいかもしれないけど、無くてもアライメントは取れることが判明。アルミのアングル材以外はダイソーで入手。

アルミアングル材を60cm長に、定規を10cm×4本と15cm×8本に切断。

グラインダーでカットしたため定規の切断面が荒れてるので、これをなるべくまっすぐに、両端の角が直角になるようにやすりで整える。アルミのアングル材は適当に端面を整えればOK。

整えるとこんな感じ。

あと10cm長にカットした定規の7~9cm部分に2.5mm間隔で溝を掘る。必要であればもっと広範囲に掘る。また15cm長にカットした定規の内4本の13cm部分に一か所溝を掘る。

カットした定規を溝を掘った部分を写真のようにずらし、アルミアングル材に接着する。接着にはJBウェルドを使用した。

また釣りの重りは大きくて邪魔なので、

分解して、

コンパクトにまとめる。この重りに釣り糸を括り付ける。

これでアライメントゲージは完成。

重り付きの釣り糸は絡まると面倒なので適当にまとめておいた。トイレットペーパーの芯を使ってるあたりがちょっと貧乏性っぽいのでもっといい方法を探らねば…。

勘のいいひとはとっくに気付いているだろうが、今回作ったのはイケヤフォーミュラーのMAPLE A-ONE GAGEの簡易版。なので使い方もほぼ一緒。材料費は3000円位なので、そこだけ見ればコストはおよそ1/10に収まる。

車両を載せる台も作る

アライメントをいじるのにいちいちジャッキアップするなんてめんどくさくて馬鹿馬鹿しいので、タイヤの下に引いて車高をかさましする台も作る。ただでかくて重いと動かすのにめんどくさいのでなるべく軽量に、そしてローコストに作りたい。

というわけでホームセンターで見つけたのがこれ。正確な商品名は忘れた(グランドなんとかって名前だった気がする)が、本来は砂利敷きの庭などに砂利を敷く前に設置して、土砂の流出を防ぐものらしい。商品説明だとこの上に車が乗っていたので耐荷重も大丈夫じゃないかと思って購入。1枚600円で山積みされてた。2枚しか写ってないが4枚用意している。

買ったままだと大きすぎるので1/4サイズにカット。

タイラップでいい感じに束ねると、高さ145mmの台が出来上がる。

これを4つ用意した。作っといてなんだが、適当な木材でも十分代用できる。

Let’s アライメント

下準備

アライメントゲージが完成したのでアライメントを取る。車をジャッキアップしてタイヤの下にさっき作った台を置く(置いた瞬間に台が壊れたりしなくて安心した…)。こだわりたい人は4つの台の水平をしっかりと確認したほうがいいけど、めんどくさかったのでしなかった。我が家の駐車場の水平度はいまいちなので特にキャンバーは正確に測れないが、そもそも百均の定規を切断して使ってる時点で精度はお察しなのであんまり気にしてはいけない。

台とタイヤの間にはビニール袋を敷く。こうすると台とタイヤの摩擦が適度に減って、調整部位をスムーズに動かせる。滑りすぎると台から車が落ちて危ないのでこれぐらいがちょうどいい。

あとハンドルのセンターを出しておく。ハンドルをうまく固定しておく方法はまた考えねばならないが、とりあえずコラムとハンドルにテープを貼っておけばズレたことには気づける。特にフロントのトーを触っているときには逐一確認する。

キャンバー角を測る

キャンバー角を測りたいときは、アライメントゲージを縦にしてタイヤやホイールガムテープで固定する。写真だとやっていないが、ゲージの両端+ホイールのスポークを使って固定したほうがよかった。

溝を掘った15cm定規を上にして、その溝から重り付きの釣り糸を垂らす。一番下の定規の目盛りを読みキャンバー角を測る。定規から定規までの長さは50cmなので、釣り糸が基準点(今回の場合はアングル材から13cm地点)から離れている長さをXmmとすると、キャンバー角Θは

Θ=arctan(X/500)

で求められる。excelを使う場合の計算式は、

=ATAN(X/500)*180/PI()

とすると角度(°)でキャンバー角が求められる。

トー角を測る

トー角を測る場合は前後のホイールに水平にゲージを貼り付ける。ホイールの中心に中央の定規の溝が彫っている側が来るように固定。こちらも写真の状態にプラスして、ホイールのスポークを利用してガムテープで固定するとなおいい。

トー角を測りたい側の中央の定規の溝の基準点(この自作ゲージの場合はアングル材から8cmの部分)に釣り糸をかける。

そして反対側はトレッドによって糸をかける場所を買える必要がある。RX-8の場合、前後トレッドは

  • フロント:1500mm
  • リア:1505mm

と5mmの差があるので、左右片側ずつではその半分の2.5mm差がある。トー角を測るには車体の中央線に対して平行に糸を貼る必要があるので、例えばフロントのトー角を測りたい場合は、リアでは糸をかける位置を基準点より2.5mm内側にしなければならない。リアのトー角を測る場合はその逆で、フロントの糸をかける位置を2.5mm外側にする。

ただし前後のホイールオフセット・ホイール幅が違う場合は、それに合わせてさらに計算が必要。僕のRX-8は4本同サイズのタイヤ・ホイールをつけているのでトレッド幅だけを考慮すればいい。

すると糸が車体中央線と(ほぼ)平行に引ける。あとは内側の定規を見てトー角を測る。

このゲージの場合、中央の定規から内側の定規までの長さが25cmなので、釣り糸が基準点(今回の場合はアングル材から8cm地点)から離れている長さをYmmとすると、トー角Θは

Θ=arctan(Y/250)

で求められる。excelを使う場合の計算式は、

=ATAN(Y/250)*180/PI()

とすると角度(°)でトー角が求められる。

RX-8の調整箇所

フロントはキャスター(ロアアーム後ろ側)キャンバー(ロアアーム前側)トー(タイロッド)が調整可能。調整順としては

  1. キャスター
  2. キャンバー
  3. トー

の順で調整する。これはキャスターをいじるとキャンバーとトーが、キャンバーをいじるとトー(微量だがキャスターも)が釣られて変化するため。

リアはキャンバー(後ろ側のロアアーム)トー(前側のロアアーム)が調整可能。こちらもフロントと同様に

  1. キャンバー
  2. トー

の順で調整する。前後ともにナットを緩めた後、反対側のボルトを回して偏心カムで調整する。

調整前と調整後

というわけで実際に測って調整してみた。ちなみに調整前の状態は、今年の9月末に車高調を取り付けて車高を落としただけで何もアライメントを触ってない状態。これを自分の好みへと調整してみる。

フロント  調整前 調整後
トー(°) IN 0.115 IN 0.286 0 0
キャンバー(°) NEG 0.516 NEG 0.859 NEG 1.15 NEG 0.92
キャスター 不明
(カム中央)
不明
(カム中央)
不明
(MAX寝かせ)
不明
(MAX寝かせ)

リア  調整前 調整後
トー(°) IN 0.275 IN 0.252 0 0
キャンバー(°) NEG 1.83 NEG 1.95 NEG 2.86 NEG 3.09

前後ともに車高が下がっていたことで付いていたトーインを0°に調整し、キャスターとキャンバーはつけられる最大値に設定。

キャンバーが左右で若干差があるのが気になるかもしれないが、そもそも車体を水平にできてないので厳密に調整する必要はないかなと。前後タイヤ共にタイヤアウト側ショルダー部の摩耗が激しくキャンバー不足が明らかなのでMAXに調整。ただフロントキャンバーが思ったより寝なかったので不満。この辺はRX-8の場合、社外のアッパーアームやロアアームのブッシュを偏心ピロボールにしないと解決しないっぽい。

直進安定性を考えると前後トーを若干INにするのがセオリーではあるものの、キャンバーをつけると疑似的にトーインになること(コインを斜めに転がすと内側に曲がっていく現状と同じことが起こる)と、RX-8はバンプするとトーインになるようなジオメトリーなので0に調整した。

キャスターは(測れないこともないんだけど)測れないので不明。ただハンドルを切った時にアウト側のキャンバーがネガティブ側に増える(転蛇キャンバー増)のを狙って最大まで寝るように調整。

またリアのキャンバー調整をすべくカムを回した瞬間にガコン!とリア車高が5mmほど落ちたので(ブッシュの1G締めが不十分だったと思われる)、その分車高調で5mm上げた。下げる方向に調整幅が増えたのでうれしい(笑)。

調整後はこんな感じに。3°程付いているリアキャンバーが厳つい。実際走ってみると、キャンバーをつけたとはいえ前後トーゼロセッティングにしたおかげかすごくまっすぐ走るうえ、アクセルオフでの失速感や抵抗感がかなり減った。キャスターを寝かせたおかげでハンドルを少しだけ切った部分では「ん?」と思う程度に曲がっていく感じがしないが、切り足していくとぐいぐい曲がっていく。もちろんリアキャンバーも付いているのでリアの追従性もばっちり。公道で普通に走るだけでもかなり体感できる。

もちろん今回調整した項目、特にキャスターとキャンバーはサーキットでよりタイムを出すべく調整したので、その効果は今後試したい。