知人のホンダ ビートのワイパースイッチレバーだが、壊れてしまっていてMISTスイッチがかなりグラグラしていた。正常に動作はするのだが、ちょっと手で触れたり大きめの段差を乗り越えただけでレバーが下がり、勝手にワイパーが動いてしまうのだ。これは地味にストレスが貯まる。
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どうもこの現象、ビートでは結構起こりがちなトラブルらしい。30年もすると色々と壊れてしまうのはしょうがない。ただこのレバー、新品部品がもう出ないので基本的に中古良品に買えるしか手がない…。
しかし少し調べてみると、うまく行けば数百円で修理できそうなことも判明。早速やってみよう。
ホンダ ビートのワイパースイッチレバー修理
ワイパースイッチを取り外すためにはハンドルなど周囲のものも外さねばならない。大掛かりに見るが作業自体はそう難しくないので、30分もあればたどり着けるはず。
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ワイパースイッチを止めているネジを2本外し、スイッチを横に引っこ抜けば、ワイパースイッチ単体になる。
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レバー側から見たときにある隙間に精密ドライバーなどをつっこみ、蓋を外す。
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するとレバー部分とスイッチ本体に分かれた。
プラスチック部品を瞬間接着剤とティッシュペーパーで修理
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見てみるとこの蓋の裏面、谷状になった部品が砕けてしまっている。ここにMISTスイッチの突起が収まる構造になっているので、ここが砕けるとMISTスイッチがグラグラしてしまうようだ。
まずはグリスなどを拭き取ってきれいに掃除する。
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砕けたパーツを瞬間接着剤でくっつけてみると、パーツ自体に変形や欠けが無いことが判明。とりあえず元々の形状に戻すことはできた。
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ただこのままでは瞬間接着剤でくっついているだけなので、再びパーツが砕けることは必至。補強を入れる必要がある。
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砕けた谷状部分の裏面を見ると、肉抜きれている部分がある。ここに小さくちぎったティッシュペーパーを少し詰めて、瞬間接着剤で固めていく。瞬着とティッシュが組み合わさってまるでFRPのような繊維強化樹脂になるので、ちょっとしたプラスチック製品の補修にオススメの方法。
3回ほどに分けてティッシュペーパーを積層して、裏面にガッチリと補強を行う。すると完璧にカチカチになり、元の状態よりも確実に強くなった。はみ出た部分はヤスリで削ってサイズを調整すればOK。
グリスアップしながら元に戻す
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補修ができたらもとに戻していく。摺動部にはシリコングリスを塗って潤滑。シリコングリスはプラスチックを侵しにくいのでこういう箇所に使える。
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レバー側の白い突起にはバネがついているので、戻す時はまずレバーと蓋を組み合わせてから、スイッチ本体にはめ込む。こうすると簡単に戻せる。
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これでスイッチの修理が完了。
かっちりとした剛性感が出た
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車体に戻していくと、ウィンカーレバーとワイパーレバーが同じ角度に揃った。ワイパーレバーの操作もかっちりしていて、確実に元の位置に戻るし、ふと手が触れたぐらいでは勝手に動いたりしなくなった。何よりこれまでは触れると壊れそうな感じさえあったのが無くなったので、すごく安心して使えるようになった。
H2工房製の改良品もあり
今回の方法は、分解したワイパーレバースイッチの
- 砕けた部品が残っている
- 部品の変形がない
という条件でしか使えない。そうでない人はH2工房というビート専門店が販売している「ワイパーレバー ベースマウント」という商品が使える。
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今回ティッシュペーパーで補強を入れた部分が最初から補強されているので、長い目で見ればこちらの製品を使うほうが良いと思う。
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