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【レビュー】OTANI BM2000:ハイグリップタイヤとしてはガッカリ。でも減らない・壊れない・感触がいいので、練習用にはかなりアリかも

2.5

タイ製タイヤOTANI BM2000のレビューをまとめる。使用したものは4本全て255/40R17 98W XL。UTQGは180AAA。全て2024年第18週製造品だった。新品時のタイヤの幅は実測265mmで、重量は1本あたり12.2kg。使用期間は2024年8月~同年10月。購入時(2024年7月)の価格は1本約1.2万円だった。

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サーキットでの印象

OTANI BM2000で走ったサーキットは以下の通り。

空気圧は多分200kPa以上

OTANI BM2000は試した限りでは空気圧の設定に敏感なタイヤではない。200kPaスタートで230kPaまで上がった状態と、温間190kPaまで下げた状態で比較しても、正直これと言って大きく何かが変わることはなかった。極端に上げたり下げたりは試していないが、恐らく少し上げ目(200kPa以上)で使っている方がフィーリングは良さそうな気がする。

ドライグリップ:★★☆☆☆

はっきり言ってハイグリップタイヤとしては下の下のグリップ感。比べる対象によってはいわゆるセカンドスポーツタイヤ(ハイグリップではないスポーツタイヤ)に負ける場合もあるぐらいグリップは低い。正直かなりがっかりした。まぁ街乗りで小石を拾わない時点でだいぶ察してはいたし、サーキットで走った直後ですら小石を拾わないぐらいなのだが…。

ただしグリップの前後バランス感は悪くなく、横に比べると少しだけ縦が弱いかな…と思うぐらいのグリップ感。斜めに止めようと思うと限界を超えやすいので無理はできないが、変な癖は無いのでかなり扱いやすさがある。

レイングリップ:不明

レインではサーキット走行をしていないので不明。ただし下記の通り温度依存性は低いので、安定して走れそうな気がする。

熱入りの速さ:★★★★☆

根本的にグリップが低いという問題はさておき、走り始めからかなり安心して走れる。ジムカーナ的にアウトラップから全開で走ったとしても、温まった後とさほどタイムに違いは無い程度に安定している。

周回性能:★★★☆☆

だいたい安いタイヤはすぐ垂れて操縦性が悪化するものだが、OTANI BM2000はそこまで酷くは悪化しない。垂れてくると縦グリップが落ちてくるのは少々気になるが、元が高くないからなぁと納得することはできる。

操縦性:★★★★☆

なぜかわからないがOTANI BM2000はやたらとフィーリングが良い。転がり感は今ひとつな部分こそあれ、ハンドルの手応えは妙にしっかりしているし、ハンドルを切った瞬間のレスポンスの良さも優れている。ダルい動きが殆ど無いので、そこだけみるとグリップしているような感じがする。トレッドの溝は新品時で約6~8mmとそこそこ深く、組込前の剛性感もそんなに高くなかったのに…。

ドライグリップの項目でも書いた通り、変な癖が無いので走りやすい。滑り出しも穏やかでわかりやすいし、流れ出したら無限に滑っていくような感じもない。安いセカンドスポーツタイヤで走るとトレッドがよれて引っかかってガガガガと音がするものだが、そういう不快さも無い。ちゃんとしたハイグリップタイヤのグリップだけが下がっているような、そんな感じ。

不思議。

耐久性:★★★★★

最後まで試しているわけではないが耐久性は恐らくかなり高い。割とタイヤが減りやすいサーキットで減りやすい走りをしてみたが、全然摩耗しなかった。タイヤの表面は全く溶けず、かなりサラッとしているし、変なブロックの削れや欠けも無し。

TW180を謳っているが、経験値からすればTW280ぐらいのイメージ。サーキットをガンガン走り込むには向いている。僕はやらないのでわからないが、もしかしたらドリフトのリアタイヤにも良いかも。

街乗りでの印象:★★★★☆

街乗りでは、常識の範囲内では十二分なグリップを持っている。温度依存性が低く、また雨天にも結構強かったので、あらゆる状況で安心して走れるはず。真冬に関しては使用していないので不明だが、多分問題ないと思われる。また先述の通り操縦性が妙に良いので、キビキビ走ってなんだか楽しい。

静粛性に関してはそこまで良くはなく、ウィーンという唸り音がする。とはいえ不快感は少なく、またこの音も僕のRX-8にはキャンバーが強めに付いていることも原因としてあり得る。マフラーを交換している人ならあまり気にならない程度の音量。サーキットを走った後でも音質に変化はなかった。

練習用と割り切ればかなりいいタイヤかも

ハイグリップタイヤが軒並み値上がりしていく中、格安の価格帯で登場したOTANI BM2000に期待したが、ハイグリップタイヤとしてタイムを出す性能はかなりがっかりするレベルだった。タイムだけで言えばもっと安いタイヤでも近しいものが出せるだろうし、同価格帯ならNS-2R(TW120)などもっとタイムを望めるタイヤがある。そういう観点で見ればOTANI BM2000はかなり立ち位置が微妙。

対して操縦性の良さと耐久性の高さに関しては目を見張るものがある。激安タイヤで走ってドライビングに変な癖が付いてしまうぐらいなら、OTANI BM2000で走ったほうがよほど素直でいい走りができるようになると思う。しかも減らないし、変に欠けたりもしないので結果長持ちしそう。初心者・中級者でドライビングで伸びる要素が大きい人にとっては、非常に素晴らしいタイヤかもしれない。

ちなみに、OTANIという名前のタイヤだと伝えると誰しもが「ホームラン打てそう」と言ってくれるのも良いところ。性能的にもホームラン級なら良かったが、BM2000はホームラン王を育ててくれるタイヤかも。

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