友人のとある30年以上前の車がある日突然動かなくなってしまった。キーオンにしてもなんの音も聞こえない辺り、燃料ポンプが死亡したものだと思われる。軽く点検してみたのだが、この車どう考えても燃料ポンプを一度も交換した形跡がない。燃料タンクも鉄製なので、中がサビでやばいことになっていることは確実だった。
なので燃料ポンプ交換といっしょに燃料タンク内のサビ除去を行うことにする。
30年ものの鉄製燃料タンクはやばい…
どうにかこうにか苦労して降ろした燃料タンクがこちら。
取り外した燃料ポンプからすでにわかるが、やばい。
錆びが見えているのは燃料ポンプを囲っている鉄製のカバーだが、錆びてないところが見当たらないぐらい錆びている。
燃料タンクの中もご覧の有様。サビがそこら中に浮遊しているので、このまま新しい燃料ポンプを入れたら速攻で壊れること間違いなし。幸いなことに穴は空いていないし、外側にも若干錆があるが酷くはないので、内部の掃除だけで対処できそう。
モノタロウの「さび落とし 液体タイプ」で燃料タンクを掃除
そこで用意したのがこちら。
モノタロウの「さび落とし 液体タイプ」。
これの何が良いって、4Lで税込2519円という安さ。有名なバイクの燃料タンク用サビ落とし剤「花咲かG」なんて1Lで4000円強することを考えると強烈に安い。しかもサビの程度に応じて最大100倍まで希釈可能だというから素晴らしい。
ちなみにモノタロウには「タンク サビ取りクリーナー」という別の商品もあり、こちらは1Lで約3300円。花咲かGと同じく防錆剤が入っていて、20倍希釈まで使える。買うなら素直にこっちなのだが、今回の40Lの燃料タンクに対して20倍希釈じゃ足りないので、あえて安い方を買ってみたというわけ。
燃料タンク内のサビを極力落としてから漬け置きする
サビだらけの燃料タンク内にいきなり洗浄剤を入れても、表面のサビが落ちるだけ。チェーンを入れて振り回してみたり、高圧洗浄機でサビをこそぎ落とすなどしてタンク内のサビを可能な限り落とすのが吉。
残念ながら今回作業した場所にそんなものは無かったので、普通の水道にノズルを付けてできる限り高圧をかけたり、手が届く範囲でサビを除去しておいた。燃料タンク内は意外と複雑な形状をしているのでなかなか手が届かないところもあったが、これで勘弁してやろう…。
そして漬け置き。「さび落とし 液体タイプ」を約3Lほど入れて、後は水道水で希釈したので、およそ13倍希釈。あえて1L残したのは後の作業のため。
最後に燃料ポンプごと突っ込んで蓋をした。
1週間放置した結果…
色々あって1週間放置したのちに作業再開。燃料タンクの中身は…
お、結構サビが取れてる。ポンプの周りに付いているサビも、手で触ればボロボロと落ちてきた。
中身はなんだか黄色みがかっていて、細かなゴミが沢山浮いていた。
燃料ポンプを水洗いしてみると、これまであったサビがほぼ完璧に除去されている。これはすごい。
燃料タンクの中も、クリーナーを抜き取ってできる限り水洗いしてみると、かなりいい具合にサビが落ちていた。完全に落ちきっていない部分は確かにあるが、元々の状態に比べれば100倍マシ。これだけきれいになっていれば十分に使える。
ただし、割と細かいゴミがジャリジャリと出てくるので、可能な限りそういうのは除去して上げる必要がある。サビが除去できると言っても液体の中に溶け込んでいくわけでは無いので、それなりに手間は必要だった。
ちなみに漬け置きしてから2日後に一度中身を確認しているのだが、燃料ポンプの状態は1週間後と大きく違いは無かった。9月中旬の作業で気温がそこそこ高かったこともあるが、長期間漬け置きすればよりサビが落ちるわけではなさそう。
気温が低い場合は恐らく時間がかかるので、気温や希釈具合によって除去までの時間は変化する。
原液でのすすぎ洗い(リンス)が重要かも
水洗いした燃料タンクやポンプを乾かすために30分ほど放置していると、表面に薄っすらとサビが浮いてきた。サビの再発防止のためには防錆浸透剤が必要と書いてあるので、本来ならそういうものを使用すべきだったかもしれない。
試しに残してあった原液を入れてタンク内に回してみると、薄っすらと出てきたサビはすっと消えた。原液を取り除いて同様に乾かしてみたが、その後はサビが浮いてくる様子が無かった。なので原液でのすすぎ洗いを最後に行うのが重要かもしれない。
燃料タンクのサビ落としに十分使える
というわけでモノタロウの「さび落とし 液体タイプ」で燃料タンクのサビを除去してみたが、割と十分に使えることがわかった。コスト的にも高くないし、サンポールとかを使うよりも安心安全で良い。
ただ防錆効果は恐らく専用品に比べれば高くないと思われるので、確実に、そして今後長い目で見たときには燃料タンク専用品を買ったほうが良さそう。今回は友人と共に実験してみようという趣旨で試してみたが、燃料タンクの脱着は地味にめんどくさいので、専用品の使用をおすすめしたい。
また「さび落とし 液体タイプ」は再利用可能な感じだったので、ポンプで吸い取って容器に溜めておいた。今後錆びたものを適当に漬け置きして綺麗にするのにも役立ちそう。
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