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モータースポーツ向けGPSデータロガーまとめ

モータースポーツ向けの、国内で入手可能なGPSデータロガーをまとめました。

GPSデータロガーを選ぶポイントとしては、

  • GPS記録レートの高さ
  • 対応GNSS(衛星)の多さ
  • 設置の手軽さ
  • 解析ソフトの使い勝手
  • スタンドアローン型(画面付き)か、スマホ連携型か

などが挙げられる。特にスマホ連携型は基本性能に変わりがなければ、あとはほとんど解析ソフトの使い勝手ぐらいしか差が付かないため、可能であれば周囲のユーザーに使い勝手を聞いてみるのが良いと思う。

個人的にはスマホの熱暴走やうまく連携できないトラブルなどを防ぐためにも、画面が付いているスタンドアローン型をおすすめしたい。

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デジスパイス

日本国内のモータースポーツ用GPSデータロガーとして高いシェアを誇るのがデジスパイス。小型で使い勝手がよく、テープでくっつけるだけで誰の車にでも簡単に装着してデータ比較することが出来る手軽さが売り。最新世代のデジスパイス4は外部アンテナを装着することで更に高精度なデータ取得が可能になった。

パソコンの解析ソフトも比較的見やすく万人向けだが、走行中のタイムなどを知るためには別途スマートフォンなどが必要になる。

メーカーデジスパイス
モデルデジスパイスⅣ
走行中タイム表示スマホ連携
GNSSGPS, QZSS, DeiDou,
GLONASS, Galileo
GPS記録レート10Hz, 20Hz, 5Hz
内蔵センサー無し
ワイヤレス機能Bluetooth
解析ソフトWindows
スマホアプリiOS, Android
耐環境性能外部アンテナのみIP66
カメラ連携
車輌情報取得
重量35g(本体のみ)

Aim

イタリアのモータースポーツ用ロガーメーカー。古くからロガーを開発し続けていることもありレースの世界でのシェアと認知度は非常に高い。多数ある機材やセンサーを追加することで車両のありとあらゆる情報を取得することができるが、そこまでやるとお金がだいぶかかる。プロ向けとして進化してきたことから解析ソフトがPCのみとなるが、スマホ用アプリも開発してるとかしてないとか。

SOLO2 / SOLO2 DL

Aimの最も手軽なロガーがSOLO2。画面付きのスタンドアローン型なのでスマートフォンなどが不要。電源ボタンを押すかシガーソケットなどの電源に繋げるかすれば、もうあとは走るだけという使い勝手の良さが魅力。

僕が実際に使っているのがSOLO2 DL。OBD2などで車両に接続してCAN通信を行い車輌情報を取得することができるモデル。GPSだけでは取得できないアクセル開度やエンジン回転数に水温、最新の車両であればブレーキ等力やハンドル舵角など様々な情報を記録することで、より高精度にドライビングや車両状態を解析することが出来る。手軽なデータロガーとしてはこれ以上ない最強スペックを誇る。

メーカーAimAim
モデルSOLO2SOLO2 DL
走行中タイム表示
GNSS不明不明
GPS記録レート10Hz10Hz
内蔵センサー3軸加速度センサー
3軸ジャイロセンサー
3軸磁気センサー
3軸加速度センサー
3軸ジャイロセンサー
3軸磁気センサー
ワイヤレス機能Wi-FiWi-Fi
解析ソフトWindowsWindows
スマホアプリ✗(開発中?)✗(開発中?)
耐環境性能IP67準拠IP67準拠
カメラ連携オプションオプション
車輌情報取得
重量240g240g
AiM Sportline
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Qstarz

四輪ではあまり見かけないがバイクユーザーが意外と多いのがQstarz。台湾のGPSレコーダーメーカーで種類はいくつかあるのだが、モータースポーツ用としてはLT-8000GTとBL-1000GTの2種類をラインナップ。LT-6000GTという旧型モデルも存在。

メーカーQstarzQstarz
モデルLT-8000GTBL-1000GT
走行中タイム表示スマホ連携
GNSSGPS, QZSS,
北斗, GLONASS
GPS, QZSS,
GLONASS
GPS記録レート25Hz10Hz
内蔵センサー加速度計
ジャイロスコープ
3軸Gセンサー
ワイヤレス機能Bluetooth5.0
Wi-Fi 2.4G
Bluetooth4.0
解析ソフトWindowsWindows
スマホアプリiOS, AndroidiOS, Android
耐環境性能IPX7無し
カメラ連携
車輌情報取得
重量158g69g

LT-8000GT

QstarzのハイエンドモデルがLT-8000GT。画面付きで簡単操作、車両に取り付けるだけで走行中のラップタイムなどを確認できる。IPX7の防水性能を持つため雨の中バイクに取り付けてびしょ濡れになっても大丈夫な堅牢性を持つほか、158gと画面付きロガーの中では比較的軽量な点が魅力。25HzのGPS記録レートは業界最高峰。

BL-1000GT

旅行用のGPSデータロガーをレース用に改良したモデルがBL-1000GT。コンパクトな本体を車両に取り付けたら、あとは電源をONにするだけ。走行中のタイムなどはスマホで確認するシンプルモデルだが、その分価格が抑えられている。

QSTARZ(キュースターズ)
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Drogger

長野県のソフトウェア開発・販売会社が作ったGPSロガーシステムがDrogger。高精度なGPSレシーバーやデータロガーを無料の自社製Androidアプリと連携させて使用するタイプのロガーを販売している。またGPSロガーは他社製スマホアプリと連携することも可能。

メーカーDroggerDroggerDrogger
モデルDG-PRO1SDG-PRO1RWSSL002
走行中タイム表示スマホ連携スマホ連携スマホ連携
GNSSGPS, QZSS,
Galileo, GLONASS,
BeiDou
GPS, QZSS,
GLONASS
GPS記録レート最大18Hz最大30Hz
内蔵センサー加速度
ジャイロ
磁気センサー
各3軸 DMPプロセッサ
ワイヤレス機能BluetoothBluetooth4.2Bluetooth
解析ソフトAndroidAndroidAndroid
スマホアプリAndroidAndroidAndroid
耐環境性能IP67IP67耐衝撃・防水・防塵
カメラ連携
車輌情報取得追加センサーで可
重量42g40g本体79g

DG-PRO1S/DG-PRO1RWS

DG-PRO1SはDroggerの基本となるGPSレシーバー。モバイルバッテリーなどのUSB電源に接続するだけ、あとはBluetoothでスマホアプリと連携すれば、スマホでは実現不可能なレベルの高精度な位置情報を取得する

ベーシックモデルのDG-PRO1Sと、高精度モデルのDG-PRO1RWSをラインナップ。

SL002

SL002はDroggerの拡張アイテムで、これに様々なセンサーを追加することで水温油温、排気温度、サスペンションのストロークなどなどあらゆる情報を最大50Hzで取得することが可能になるハイエンドモデル。磁気・赤外線センサーを使いすることでより確実なラップタイム計測もできる。

Garmin

言わずと知れたGPS機器メーカーの雄Garminがモータースポーツ業界に進出。ロガー、カメラ、解析装置が全部のせのGarmin Catalystを2022年に発売した。

メーカーGarmin
モデルCatalyst
走行中タイム表示
GNSSGPS, GLONASS
GPS記録レート10Hz
内蔵センサー加速度計
ワイヤレス機能Wi-Fi, Bluetooth
解析ソフト内蔵、スマホ、パソコン
スマホアプリiOS, Android
耐環境性能
カメラ連携カメラ付属
1080p, 30fps
車輌情報取得
重量437g

Garmin Catalyst

Garmin CatalystはGPSロガーに新しい時代を作ったと言っても過言ではない製品。ロガー、カメラ、解析装置がすべてオールインパッケージという構成で、これ一つ持っていればスマホもパソコンも何も必要ない。走行中のラップタイムはもちろん、走行データからオンボード映像まで全てをその場で確認することができる。

データをオンラインにアップロードすることでスマホやパソコンからも確認可能。リアルタイムのコーチング機能まで搭載し、単なるデータロガーを超えた存在ですらある。

Racebox

Raceboxはアメリカ生まれのGPSロガー。以前はドリフト向けのDriftboxもラインナップされていたが、現在は画面付きのRaceboxと、シンプルなRacebox Miniの2機種をラインナップ。ユニークなのはドラッグレース向けの機能などを搭載している点。

世界中のサーキットのデータベースを持つが、日本国内では比較的メジャーなサーキットのデータしか無いため使用には注意が必要。

メーカーRaceboxRacebox
モデルRaceboxRacebox Mini
走行中タイム表示スマホ連携
GNSSGPS, GLONASS, SBASGPS, GLONASS,
Galileo, BeiDou,
SBAS
GPS記録レート10Hz25Hz
内蔵センサー加速度計加速度計
ジャイロ
ワイヤレス機能Wi-FiBluetooth5.2
解析ソフトiOS, AndroidiOS, Android
スマホアプリiOS, AndroidiOS, Android
耐環境性能防水
カメラ連携スマホ連携
車輌情報取得
重量260g106g

Racebox

画面付きでフロントウィンドウに吸盤でぺたりと貼り付けるだけで使用可能なRacebox。付属の外部アンテナを使用することでさらに高精度な計測が可能になる。単体で使える手軽さとスマホ連携での即時データ解析が可能。

Racebox Mini

上位モデル超えの25Hz計測を実現したモデルがRacebox Mini。スマホ連携を基本とするが、自社アプリのみならずRaceChrono等のメジャースマホアプリとの連携もサポート。小さいながらもマルチに使えるハイエンドなGPSレシーバー。

RaceChrono(スマートフォンアプリ)

RaceChronoはスマートフォン用モータースポーツ向けアプリ。走行中のラップタイム表示は当たり前だが、スマホ内蔵GPSとカメラを連携して自動でデータを表示したオンボード映像が作れたり、走行ログの解析もできたりと、スマホひとつで基本的に完結してしまう。スマホ内蔵GPSはそこまで高精度ではないため、その精度に依存してしまうのは難点。ただしこれは無料版(Androidのみ)の話。

有料版(iOS, Android)ならここまで紹介してきたデジスパイスやDrogger、Qstarz等の外部GPSとBluetooth接続してさらなる高精度化したり、GoProと連携してカメラの性能をアップさせたり、OBD2リーダーと接続して車輌情報の取得など、本格的なロガーに肩を並べる拡張性の高さを誇る。

RaceChrono – Laptimer for iPhone and Android

LAP+(フリーソフト)

2008年に愛知県で生まれたLap+はGPSロガーを手軽に世に広めた立役者的存在。汎用GPSロガーをハイレート化し、Windows用フリーソフトLAP+で解析することで、なんと1万円を切る価格でGPS解析を可能とした。実際に僕も使用した経験があり、GPS解析を始めるならまずはここからと言える素晴らしいアイテムだった。

ただし2021年を最後に公式からのアナウンスが途切れ、サービス終了のアナウンスは無いが事実上終了している。747Pro等の対応ロガーの販売はとうの昔に終了し、仮に手に入ったとしてもLap+へのユーザー登録が出来るかどうかも怪しいところがある。このため2023年現在での使用はおすすめできない。

と思っていたのだが、2023年11月に4年ぶりとなる対応ロガーの発売が発表!17,655円という2023年現在で圧倒的なコストパフォーマンスを引っ提げて、LAP+がモータースポーツの世界に帰ってきた。

ロガーのスペックだけ見れば高くないが、みちびきに対応したことで高精度化。とにかく低コストでGPSロガーを導入したい人への強い味方になってくれるはず。

メーカーLAP+
モデルGL-770M LAP+対応版
走行中タイム表示
GNSSGPS,GLONASS,QZSS
GPS記録レート5Hz
内蔵センサー
ワイヤレス機能Bluetooth4.0
解析ソフトWindows
スマホアプリAndroid(△)
耐環境性能IPX3
カメラ連携
車輌情報取得
重量約80g
GL-770M LAP+対応版 – LAP+

Tログ(taro-hanako device development)

Tログはtaro-hanako device development(以下thdd)というIT系エンジニアが個人開発をしているGPSロガー。LAP+と成り立ちは似ているが、解析ソフトだけでなくロガー本体も専用開発しているのが特徴で、最廉価モデルは1万円台半ばという低価格を実現。ハイエンドモデルのVehicle Embedded Device Boxでは各種センサー類の追加で各種車両情報を取得できる。いずれも電源を内蔵していないため、モバイルバッテリー等による電源供給が必須。

専用解析ソフトのRacing AnalyzerはTログシリーズのほか、LAP+で使えていた747Pro/747ProSにも対応。タイム表示や走行軌跡表示、グラフ表示といった一般的な機能に加え、車載動画連携機能も備え、直感的でわかりやすい解析が可能。ただし解析機能の使用は月額330円(税込)のサブスクリプションサービスに加入する必要がある。

メーカーthddthddthddthdd
モデルTログⅡTログ[プチ]Tログ[Lite]Vehicle Embedded
Device Box
走行中タイム表示スマホ連携スマホ連携
GNSSGPS, QZSSGPS, QZSSGPS, QZSSGPS, QZSS
GPS記録レート5Hz5Hz5Hz5Hz
内蔵センサー各種追加センサー有り
ワイヤレス機能Wi-FiWi-FiWi-FiWi-Fi
解析ソフトWindowsWindowsWindowsWindows
スマホ連携Android, iOSAndroid, iOSAndroid, iOS
耐環境性能
カメラ連携
車輌情報取得追加センサーで可
重量本体約180g本体約125g約85g本体約425g
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