高速道路移動が多いので前々からクルーズコントロール(以下クルコン)が欲しいなぁと思っていたのだが、フルバケを導入したらなおさらクルコンが欲しくなってしまった。なぜなら、
太ももがフルバケのサポートに当たって長時間のアクセルコントロールがかなり疲れる
ようになったため。RX-8のペダルは右側にオフセットされているので足を右にずらさなければならないのだが、フルバケのサポートに太腿の外側がじんわり当たって、これが5時間以上の長時間運転をすると地味に辛い。クルコン欲しい…。
pivot 3-drive · α (3DA)
RX-8は国内AT車にはクルコンが付いているし、北米仕様のMT車にもクルコンがあるので、配線を繋げれば純正クルコンが使えるのでは?という気がして仕方がない。実際どうやらド初期のECUにはプログラムが入っているらしい。しかしその後のアップデートで潰されたという噂なので、初期型(LA型)ではない僕のRX-8(ABA型)ではそこに期待しても仕方がない。
というわけで僕はpivotの3-drive · α (3DA)を使ってクルコンを実装することにした。これはスロットルコントローラーにオートクルーズ(クルーズコントロール)の機能が付いたモデルで、pivotのオートクルーズ付きスロコンの中では最も安価なモデル。
僕個人の考えとして、スロットルコントローラーなんてものはオモチャみたいなもの。「アクセルの踏みが足らないなら自分で踏め」と思っているので、もっと安価でシンプルなクルコン専用品を作って欲しいなぁと思ったり思わなかったり…。
RX-8に使うためには車種別専用ハーネス(TH-1A)が別途必要。最低限これだけあればクルーズコントロールを導入できなくもないが、僕は車のハーネスにあまり加工をしたくないので、ブレーキハーネス(BR-5)も用意した。これでほとんど配線加工を行うことなく導入できる。ブレーキハーネスの値段はそこまで高くないので、せっかくだったら買っておいたほうが良いと思う。
3-drive · αの中身は
- コントローラー
- ユニット
- 電源・ブレーキハーネス
- 簡易テスター
- ステー
- 両面テープ、配線カシメ、結束バンド
- 製品保証書、取扱説明書、配線一覧図
となっていた。取扱説明書はそれなりに親切だが、車速信号の取り出しなど配線加工が必要になるので、作業が心配な人は整備工場に取り付けを依頼したほうが良い。
3-drive · α の取り付け
3-drive · αは上図の形で配線を行う。リバース信号を繋ぐと、バックギアに入れたときにスロットルコントローラーのスポーツモードが解除されるのだが、繋がなくても使えるので今回はパス。MT車の場合はクラッチにもブレーキと同じ配線を繋いだほうが良いはずなのだが、記載がないのでこれもパス。
車速信号の取り出し
車速信号の取り出し用に、一本先にギボシ端子を付けただけのオレンジ色の配線を制作した。3-drive · αに付属のハーネスを直接車速信号に取り付けても良いのだが、今後のメンテナンス性を考えるとこちらの形のほうが無難。
RX-8の車速信号はオーディオ用の配線から取り出せるので、まずはオーディオパネルを分解。分解方法は下のページを参照。
オーディオに繋がっているこちらのカプラーに刺さっている、緑色に赤い線が入っている配線が車速信号。
ここに先程作ったオレンジ色の配線をカシメて、しっかりと絶縁処理すればOK。配線加工はこれだけでできる。
アクセル・ブレーキにハーネスを割り込ませる
次に上2つの配線をアクセル・ブレーキのカプラーに割り込ませる。
アクセルのカプラーはこれ。
ブレーキのカプラーはこれ。両方とも一度外して、専用ハーネスをオス・メス合わせて間に差し込めばOK。
分かりづらいが、割り込ませるとこの状態になる。
各配線の接続
一度確認のために各配線を接続する。ユニットにコントローラー、専用ハーネス、電源のカプラーを差し込む。どれも刺さるべき場所にしか刺さらない用になっている。
ブレーキハーネスはRX-8の配線一覧図には書かれていないが、白-灰、黒-赤で接続する。青と黄色の配線は使用しない。
アース線はボディアースが取れる場所ならどこでも良いのだが、意外と手の届くところに適当な場所がなかったので、今回はオーディオから取ってみた。これはちょっと整備性がイマイチなので今後別の場所に変更したい。
コントローラーを好きな場所に設置したら、キーON(エンジンは掛けない)にして起動を確認。問題なく動いたので、ついでに取扱説明書に沿って初期設定を行った。
あとはいい感じにユニットと配線をまとめればOK。僕はコラムしたにタイラップなどでくくっておいた。長過ぎたり、接続していない無駄な配線があったりするので適当にカットしても良かったのだが、ひとまずはちゃんと使えることが確認できるまではそのままに。きっとこのままずっと使うことになるのだろうが…。
運転席からは見えないところにクルーズコントロールを設置
というわけでpivot 3-drive · α (3DA)の設置が完了した。僕はあんまり色んなものが目に入るのが好きではないので、ちょうど運転席からはハンドルに隠れて見えなくなる位置にコントローラーを設置したが、手を伸ばせば問題なく操作できるのでOK。このコントローラーにはアクセル開度がいちいち表示されるので、見えないぐらいが丁度いい。
近所で使ってみた限り、低速(40km/h前後)でクルーズコントロールをONにしてみたが、初期設定だと少しアクセルワークが雑でガクガクする感じがある。取扱説明書によるとRX-8だとこのレベル設定はもう少し穏やかになるように設定したほうが良いとのことなので、今後高速道路で使ってみて丁度いいところを探っていきたい。
高速道路で1800km使ってみた
実際に pivot 3-drive · α (3DA) のオートクルーズ機能を活用しながら高速道路を1800km走ってきた。
レベル調整は1~2が丁度いい
pivot 3-drive · α (3DA) にはオートクルーズのレベル調整があり、加速時間が長い(アクセル開度が小さい)レベル1から、加速時間が短い(アクセル開度が大きい)レベル5までの5段階がある。ハイパワー車はレベル1、ローパワー車はレベル5にすることで、設定した速度ピッタリかつ快適になるようになるわけだ。初期状態はレベル3になっている。例えば80km/hでオートクルーズをONにすると、79km/h付近まで減速した際に勝手にアクセルを踏んで80~81km/hぐらいまで戻してくれる。これを繰り返すことでオートクルーズを実現している。
RX-8の場合は、初期状態のレベル3だとちょっとガクガクする感じがあった。加速するときにアクセルを踏み過ぎだし、目標速度に到達したときにはアクセルをパッと離すので減速が急な感じがして、正直あまり快適ではない。これをレベル1~2にすると、かなりスムーズで快適に速度を維持してくれる。僕は一番加速が遅いレベル1が最も快適に感じた。
常に±1km/hを維持してくれる
丁度いいレベル調整さえできれば、後は必要なときにスイッチをポチッと押すだけで、設定速度から±1km/hを維持してくれる。右足の操作が全く不要になるので本当に楽でいい。周囲の速さに合わせて速度を2km/hづつ変更する事もできるが、ブレーキを軽く踏むか右ボタンを押すかしてオートクルーズを一旦解除してしまったほうが簡単かつ安全。もとの速度に復帰するときはもう一度右ボタンを押すだけで勝手に戻ってくれる。
加速したいときはアクセルを踏めばよいのだが、ここだけ制御が微妙になる場面があった。例えば下り坂で設定速度+5km/hを維持しようとアクセルを調整すると、アクセルを軽く戻しただけなのに全閉になってしまい、減速が少し急になってしまうケースがよくあった。おそらく設定速度を超えているので、スロコンとしてはいち早くもとの速度に復帰しようとしているのだろうが…。
まれにブレーキを踏んでいる判定になってしまう
たまにオートクルーズをONにしようとしているのに、そうならない場合が発生した。液晶画面を見ると「–b–」の表示。どうもブレーキを踏んでいることになっているらしい。当然踏んでいないのだが。
一度止まって配線を確認したが、不具合は無かった。ただ軽くブレーキを踏んで戻したら元の状態に戻り、オートクルーズをONにすることができた。その後も一度同じ現象が発生したが、同様にブレーキを軽く踏んだら戻った。どうもブレーキスイッチに不具合があるようだが、これは僕のRX-8がそこそこ古いことが問題かもしれない。どうもこの現象は誤作動防止機能によるものらしい。エンジン始動後一度もブレーキを踏まないままオートクルーズに入れようとすると「 –b– 」表示が起こる。一度ブレーキを踏めば解除される。
とにかく楽なので、高速道路をよく利用する人は装備したほうがいい
オートクルーズは都会の混雑した高速道路だと無駄だが、田舎の空いている道なら快適。 pivot 3-drive · α (3DA) も丁度いいレベル調整が見つかれば、ほぼ違和感の無い制御で速度を維持し続けてくれるので、とにかく楽でいい。頻繁にメーターを確認しなくていいし、周囲の確認とハンドル操作に集中するだけで良いので、疲労が随分と軽くなった。気付いたら速度が上がりすぎていた、なんてこともないので安全でいい。ただ勝手に減速はしてくれないので、あまりにボーッとしすぎていると前に追突する可能性はある。そうなる前に休憩を挟むべきだ。
快適で安全に移動できるようになるので、高速道路をよく利用する人は取り付ければ更に長距離移動が楽しくなるだろう。
コメント
はじめまして。けーまると言います。
私もエイトでこれを使っていますが、- b -となるのは、エンジン始動後に一度もブレーキを踏んでいないためです。
メーカーに問い合わせたのですが、誤作動防止のためということでした。
空いているPA・SAから出発するとブレーキを踏む必要がないので、そうなりやすいです。
けーまるさん、はじめまして。
あ…そんなこと取扱説明書に書いてましたね…。
確かに空いているSAから出たときにこの現象が起こったので、一度もブレーキを踏まないままオートクルーズに入れようとしたのでしょう。
教えてくださってありがとうございます!