ブレーキパッドはそこそこあるけど、ブレーキローターがかなりやばめだということが判明した僕のRX-8。その時点で両方とも発注したものの、ブレーキパッドがなかなか到着せずに困っていたのだけど、先日そのパッドが届いたので、やっとこっさ交換作業に移ることができた。
選ばれたのは、HC+でした。
スポーツパッドはどれにしようかなぁ~なんて悩みつつも、結局買ったのはプロミューのHC+。我ながら実に芸がない選択で大変つまらない…。仕方ないじゃないね。考えてみれば4年ももったんだよ?最高にコスパ高いと思わないかい?ブレーキのコントロール性・リリース性もとても高くはっきり言って不満がないので、別にこれでいいじゃないって気しかしなかった。安い買い物じゃないからね…。
用意するもの:ショックドライバー
RX-8のブレーキローター交換で調べると必ず出てくるワード、それが「ショックドライバー」。分かりやすく言えば、手動インパクトドライバーだ。
安いのは1000円ぐらいからあるけど、安すぎるとすぐ壊れるらしいので、トルクレンチを買うついでにモノタロウブランドのを買った。詳しくは別の記事で書きます。書きました。
ローター&パッド交換
ぶっちゃけ、最初は何枚も写真撮ってたんだけど、途中でめんどくさくなって撮るのをやめてしまったので、詳しく書くつもりは全くない。ってかそんなのみ〇カラでやたら詳しく説明してくれてる人いっぱいいるし…。だからちょっとしたコツとか、そういうのだけ紹介したい。
悪魔のプラスネジ
フロントローター取り外しにおける最大の難関は、おそらくなぜかローターを止めているねじの頭が+だってこと。しかもやたら高トルクで締まってる&熱のせいで固着しているので、普通に+ドライバーを使っても全く太刀打ちできない。そもそもこんなネジいらない気しかしない…。リアローターにはついてないし…。
外す前にとりあえずCRCなどの潤滑スプレーを吹きかけて、なるべく簡単に取れるように準備しておく。それをした上で、先ほど出したショックドライバーを使おう。
スライドピンの動きをチェックする
ブレーキキャリパーはたった2本のねじで止まっているだけなので、それを外したのちにやる項目がこれ。キャリパーが止まっていた部分をよく見ると、ゴム製のブーツがかぶせられ内側にネジ山が切られたピンがキャリパーサポートに差し込まれていることがわかる。これがスライドピン。本当にただ刺さっているだけなので、強く引っ張ると簡単に取れてしまう。
このピンの動きが渋くなるとブレーキの引きずりを起こすので、ピンを適当に動かしてみて、動きに引っかかりや渋さがないか、そしてブーツが破れていないかをチェックする。渋かったらスライドピンを外してピカールなどで磨き、シリコングリスを塗って再装着すればOK。錆びまくっていたりしたならば交換しよう。
キャリパーサポートの固定ねじが硬すぎる
前後ともにそうだったのだが、キャリパーサポートをハブに止めている2本のネジがあまりに固すぎて、スパナじゃ全く太刀打ちできなかった…。ショックドライバーの先を六角ソケットに変えて挑もうともしたが、どうあがいてもハンマーで力いっぱい叩ける余地がない。困った。
仕方がないので、手元にあったラチェットに、ジャッキのハンドルを延長棒代わりに差し込んで高トルクをかけながらゆっくり回した。もちろん事前にCRCを吹いておくことが大事。あとフロントの場合はハンドルが切れるので、ネジを回しやすい方向にハンドルを切っておくと楽できる。「バキッ!」とすごくいい音がしながらネジが外れるのでかなり怖い。ラチェットだと壊れる可能性があるので、持ってる人はちゃんとスピンナーハンドルとかを使ってやろう。インパクトドライバーがあれば最高なのは間違いないけど残念ながら我が家にそんなものはない。
ローターの外し方
大抵の場合ブレーキローターはその裏のハブに固着してちょっとやそっとじゃ取れなくなってしまっている。
そういう場合によくやる方法として、ブレーキローターに空いているねじ穴に適当なネジを入れて外す、というやつがある。
まぁ確かに簡単に取れるんだが、この時に再利用する予定のネジを使うと、最悪ネジがつぶれてしまって使い物にならなくなる場合がごくまれにある。そもそもそんな都合よくこのネジ穴に合う捨ててもいいネジを持っている、という場合もないかもしれない。そんなわけで別の外し方を紹介したい。
赤枠で囲んだあたり、というか、ハブボルトに関係なくそこそこ強度が高そうなあたりを金属ハンマーで叩く、ただそれだけ。もちろん叩く前には、固着がなくなればローターが外れる、という段階まで作業しておく必要がある(写真のように+ねじがまだ止まっている状態で叩いてはいけない)。軽くハンマーで数回たたけば、そのうちポロっとローターがハブから外れてくれる。強く叩くとハブベアリングがダメになる可能性も否定できないので、そこそこの強さで叩くのがポイントかもしれない。
ピストンを戻す時はフルードの量に注意
ブレーキローターやパッドが新品になり厚みが増す分だけ、出てきているキャリパーピストンを押し戻してあげないといけない。ただその作業をする前には必ずここをチェックする必要がある。
マスターの上のサブタンク。ピストンが押し戻される分だけ、フルードがここにたまっていくので、あふれてしまわないようにある程度フルードを抜いておく。大体minまで抜いておけば大丈夫だが、逐一チェックしてあふれてしまわないか注意すべきポイント。フルードの抜き方はこの記事を参照。
あとちょっとピストンを戻したい時の方法
エイトのリアブレーキはさておき、フロントブレーキのピストンは押せば戻るタイプなので、ピストン戻しの専用工具を使うか、古いブレーキパッドをキャリパーに入れて適当なマイナスドライバーとかでぐりぐりやればピストンが戻っていく。でも後者の方法の場合、一番奥までピストンが戻らない時がある。
そんな時はローターやキャリパーサポートなどを全部組んでしまった後に、古いパッドを入れて写真のように隙間にマイナスドライバーを軽く差し込む。割と簡単にピストンが戻る。
↑これがあると便利
もちろんピストンを戻すタイミングでシールに破れがないかもチェック。破れてたらオーバーホールが必須。
ブレーキパッド&シムにグリスを塗る
ブレーキの鳴き防止やリリース性を高めるためにブレーキパッドの耳やシムとの間、シムとキャリパーの接触面にグリスを塗る。
本当はブレーキシムグリスを塗るのが一番いいんだけど、カッパーグリスでも代用可能。っていうか多分カーパーグリスそのもの。サーキット走行をしないならシリコングリスのスプレスプレータイプが使い勝手がいい。グリスを塗る接触面は何となく跡がついているのでそれを参考にして塗ろう。
リアブレーキピストンの戻し方
フロントもリアも構造は変わらないのでやることは同じだけども、リアブレーキはサイドブレーキを兼用しているためちょっとだけ異なる造りをしていて、これがまたうっとうしくて嫌いだ(笑)。
いつまで回せばいいのだろう…壊れてるんじゃないのか… pic.twitter.com/rvaRfW79vQ
— ひゃっかいだん (@hyakkaidan) 2016年10月28日
リアブレーキピストンを見てみると、フロントとは違って変わった形をしているのがわかると思う。ついでに言うと、写真左上に移る変なケーブルもついてくる。これがサイドブレーキを兼用するための構造。フロントブレーキピストンのように押して戻すのではなく、ねじ込みながら戻す。
その際に使う工具がこれ。このみょうちくりんなキューブにラチェット&エクステンションをつけてぐるぐるピストンを回すと、そのうちピストンが引っ込んでくれる。一人でもできるが割と固いので2人いるとかなり楽に作業できる。もちろん僕は一人でやってるんだけど…。
で、注意点が一つあって、サイドブレーキのワイヤーを引っ張らない状態でピストンを回さないといつまでたっても一番奥まで引っ込まない。上の写真の状況だとワイヤーを引っ張ている状態なのでダメ。多分ブレーキローターをつけずに、キャリパーサポートとキャリパーを仮止めした状態で作業するのが一番楽なんだろうなぁ…、とやりながら思った。4年ぐらい前にも同じようなことを思った気がしなくもないが、そんな事すっかり忘れていた。
交換完了
リアブレーキのピストン戻しにやたらと時間がかかってしまったが、きちんと交換し組み終わった。すべてのねじがちゃんと締まっているかチェックしたのちに、ブレーキが硬くなるまで踏み、ブレーキフルードの量をチェック。量が少なければ足して、近所を軽く試走して問題なければOK。
詳しい人と一緒にやりましょう
作業そのものはそこまで難しくはないが、重要保安部品なので初心者はきちんと知識のある人、できれば整備士資格を持っている人と一緒に作業してください。
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