2018年現在で販売されている国内外のハイグリップタイヤ(Sタイヤを除く)をまとめた。主に友人の情報やネット上のレビューを参考に評価したが、幾つかのタイヤは自分自身の使用した経験も踏まえている。
タイヤ銘柄の横の星マークは個人的なオススメ度合だが、基本的にグリップ走行でのタイムとコストの兼ね合いに、公道で使用できるラジアルタイヤとして雨天時の性能を加味して決定した。
価格は主に価格コムから、全て265/35R18サイズ(無い場合は近いサイズ)の最安値を参照した。価格は時期によって変動するので参考までにしてほしい。基準サイズが大きいため、小さいサイズであればコストパフォーマンスが一気に上がる銘柄もある。
なお、全て個人的な感想であるため、このレビューを鵜呑みにしてはいけない。
~1.5万円
accelera 651SPORT:★★★☆☆
参考価格:0.8万円
インドネシア製の圧倒的に安価なハイグリップタイヤ。そこそこ食うけどめちゃくちゃヨレると評判。そこそこ癖がありそうなので初心者向けかと言われると疑問符が付く。ドリフトでの耐久力はそこそこあるらしい。大枚叩いてハイグリ買うのに疲れたしちょっと箸休め的に安いタイヤで走ってみたい、ぐらいの感じだと楽しめるかも。
ZESTINO ACROVA 07A:★★★★☆
参考価格:1.0万円
ZESTINOの練習用タイヤ。パターンは他のZESTINOと同じながら、厚みを増やしコンパウンドの耐久力を上げている。販売当初はセカンドグレードスポーツタイヤ程度との評価だったが、2017年末にコンパウンドの変更を行い、上位グレードである07R並みのグリップになったとか。タイムよりも耐久性を求めるタイヤである。僕は2018年7月から使用中。今後の評価に期待がかかる。
ATR-K SPORT:★★★★★
参考価格:1.0万円
低価格ハイグリップでタイムを狙うならこれが最強。価格も非常に安いが、時期によって価格・在庫状況に変動があるので注意が必要。唯一にして最大の問題は、本来軽自動車用タイヤとして販売されていたがゆえに、サイズが極端に少ない点(14/15/18インチしかない)にある。グリップが高い分摩耗もそれなりにあるが、履けるサイズがあるのであればこれを使わない手はない。このパターンにして意外と雨でも雨量がそこまで多くなければグリップする。軽自動車やコンパクトスポーツカーで安価にハイグリを探すならこれ一択。
ATR SPORT 123S:★★☆☆☆
参考価格:1.1万円
コの字型のトレッドパターンが特徴的なタイヤ。ケース剛性が非常に高く、滑りだした時のコントロール性が抜群にいい。一方でグリップ力は低価格ハイグリップタイヤの中でも下位であり、サーキットでの摩耗も猛烈に悪い。ドリフト大会用にはいいと思う。
KENDA KR20A:★★★★★
参考価格:1.3万円
最廉価ハイグリップタイヤの内の一本がKR20A。僕は2018年4月まで使用していた。そこそこグリップが高いわりに減らないというのが最大の特徴で、それゆえドリフトユーザーからの支持が厚い。街乗りからサーキットまで幅広くこなすことのできるお手軽ハイグリップタイヤ。ケースが柔らかいため初心者にも扱いやすいタイヤとなっている。詳しくはインプレを読んでほしい。
NANKANG NS-2R:★★★★☆
参考価格:1.3万円
KR20Aと同価格帯でありながらグリップユーザーからの支持を得ているのがNS-2R。トレッドウェア80/120/180の3種類のコンパウンドが存在。ケース剛性が高く、トレッドウェア80/120であればそこそこのタイムを刻める一方で、耐久性がイマイチ。また、ある時点を境にグリップ力が下がるとの話も。180はKR20Aと同等程度のグリップ力とされる。斜め方向にグリップが抜けることがあるという癖もあるものの、安いので交換頻度を高めることを前提に使用すれば楽しめるタイヤ。
1.5~2万円
NANKANG AR-1:★★★★☆
参考価格:1.5万円
インチキタイヤとの呼び声が高いAR-1。縦溝が一本もなく、ほぼスリックタイヤといっても過言ではないそのタイヤパターンはインチキそのもの。実際にグリップ力は国産ハイグリレベルではあるが、その分減りも速く、そしてタイヤそのものの重量がある。安価に高いグリップを試してみたい人向けだが、ATR-K SPORTを履けるのであればそっちのほうがお得である。レイングリップを全く期待できないため、街乗りでの常時使用は不安。
GOODRIDE SPORT RS:★★★★☆
参考価格:1.5万円
国内外のドリフト競技で活躍するタイヤ。高いグリップ力と発熱の良さを誇り、筑波タイムアタックでも好タイムを記録している。この価格帯ではパフォーマンスがかなり高いタイヤだと思われるが、グリップでのユーザー数が少ない。またサイズダウンしても価格があまり変わらないので、小さいサイズを使いたい人は割高感がある。
ZESTINO GREDGE 07R:★★★★★
参考価格:1.5万円
ZESTINOの代名詞的タイヤ。非常に安価で1~2世代前の国産タイヤと張れるグリップ性能を持つ。もともとドリフト用に開発されたタイヤだけあってスライドコントロール性能が高く、また摩耗に対しても強いのでコストパフォーマンスは高い。街乗りからサーキットまで兼用できるタイヤ。
FEDERAL 595RS-R:★★★☆☆
参考価格:1.7万円
かつてアジアンハイグリップといえば595RS-Rであった。国産タイヤの半額で同等のグリップ力を得られることで一世を風靡したが、他のアジアンメーカーが競合商品を多数出している今となっては性能・価格の両面で優位性を保てていない。ウエットに弱いことと、熱が入ると横一直線の亀裂が入る(性能に問題はない)のが難点。
ZESTINO GREDGE 07RR:★★★★☆
参考価格:1.8万円
ZESTINOハイグリップの中間グレード。タイムアタッカー的には中途半端なスペックであり、特に選ぶ理由が見当たらない。一方でドリフトでは前後のグリップバランスを調整したり、エンジンパワーに対するタイヤグリップの兼ね合いで選ばれている様子。
FEDERAL 595RS-RR:★★★☆☆
参考価格:1.9万円
595RS-Rの後継。かなり特徴的なタイヤパターンが印象に残るが、実際に使うとすさまじいロードノイズに驚かされる。ドライグリップは旧型よりも進化したが、ウエットグリップには弱いままとの話も。価格的にもこれを積極的に選ぶ理由があるかと言われると微妙なところ。
2~3万円
ZESTINO GREDGE 07RS:★★★★★
参考価格:2.0万円
現時点でZESTINO最強のタイヤ。RE-71Rなどの国産ハイグリップタイヤ並みのグリップを低価格で実現するため、サーキットアタッカーから厚い支持を受けている。かつて値上げがあったものの、現在でも他製品に比べて価格的優位に立っている。近々07RS-Cという新型が出るとか出ないとか。
TOYO PROXES R1R:★★★☆☆
参考価格:2.1万円
TOYOのロングラン商品。国産ハイグリップタイヤの中では最も安価に入手できるため人気が高い。昔はグリップする分良く減るタイヤだったが、近年マイナーチェンジにより摩耗が抑えられた。ただし基本設計が古く、今やもっと安価でグリップの高いタイヤが多数販売されていることから、国産という点以外でR1Rを選ぶ理由が無くなりつつある。
HANKOOK Ventus R-S4:★★★★☆
参考価格:2.1万円
前型のR-S3から進化を遂げたR-S4。絶対的なグリップ力で言えば国産ハイグリップタイヤに僅かに劣るようだ。ただし耐久性に優れるらしく、コスパが良いとの評判が多い。ただし、特に冬場は温まりが悪く、発熱していない状態だとイマイチだとか。
NEXEN N FERA SUR4G:★★★★☆
参考価格:2.5万円
NEXENが2018年5月に日本で販売を開始した、NEXEN初のハイグリップタイヤ。アメリカのフォーミュラDで開発されたこのタイヤは、海外レビューによるとBRIDGESTONE RE-71Rと同等レベルのグリップを発揮するとか。5月発売と言いつつ、現時点で販売店が1店舗しかないため詳しいことは不明。価格はもう少し下がると思われる。
FALKEN AZENIS RT615K+:★★★☆☆
参考価格:2.8万円
DUNLOPの別ブランド。ユーザー数が少ないためわからないことが多いが、温まりが速いとの情報が多い。ユーザー数が少ないということは、すなわち絶対的なタイムを望めないということでもあるので、あまり多くを期待してはいけない。他と違ったタイヤでサーキットを楽しみたいというユーザーの需要を満たしてくれるだろう。
KUMHO ECSTA V720:★★★☆☆
参考価格:2.8万円
KUMHOは他にもV700とV710をラインアップするが、日本国外ではV720だけが唯一公道用タイヤとして認定されている。ただしハイグリップというよりもスポーツタイヤ寄りなポジションであり、KUMHOのハイグリを選ぶならV700になる。
MAXXIS VR-1 VICTRA:不明
参考価格:不明
バイクや自転車やってる人なら知ってるかもしれないMAXXISのハイグリップタイヤ。アメリカのフォーミュラドリフトに出場して優勝したりもしているのだけども、日本国内ではほぼ販売されていないので情報が皆無。7サイズあるはずなんだけども1サイズしか販売しているのを発見できなかった。
3~4万円
GOODYEAR EAGRE RS Sport S-spec:★★★★☆
参考価格:3.0万円
ほぼZ3のパターン違いモデル。価格帯もZ3とほぼ同等。かつてはZ2☆よりもグリップすると評判だったが、ここの所ユーザーが減少傾向にあるように思われる。Z3に比べるとサイズが少なめ。
DUNLOP DIREZZA Z3:★★★★☆
参考価格:3.1万円
DIREZZAチャレンジなどの効果により人気を獲得しているDUNLOPのハイグリップタイヤ。国産メーカー御三家(BRIDGESTONE / DUNLOP / YOKOHAMA)のハイグリの中では最も安価。旧モデル(Z2☆)に比べるとケースが柔らかくなったのか、初心者にも扱いやすくなったと評判だが、その分上級者からの支持が薄れた印象。86ワンメイクレース用などの特殊なラジアルタイヤを除けば、現時点の国産タイヤで最もコストパフォーマンスが高いと考えられる。
YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD08R:★★★★☆
参考価格:3.2万円
かつてハイグリ最強と言われたAD08Rだが、今現在ではZ3、RE-71Rと比べると最も古いタイヤとなってしまったため、タイムアタッカーがあえてこれを選択する理由がなくなってきている。ただしタレにくく耐久性も高いため、他に比べて長く使えるかもしれない。
KUMHO ECSTA V700:★★★★★
参考価格:3.4万円
KUMHOハイグリップシリーズの中間グレード。だけどもV700とV710は日本以外ではレーシングタイヤに指定され、実際に耐摩耗性能がSタイヤ以下。2018年初頭にマイナーチェンジしさらなるソフトコンパウンド化を果たしたとか。少ない周回数でのタイムアタックにはかなりの強みを発揮し、主にコンパクトカーのサーキットアタッカーから支持を得ている印象。
DUNLOP DIREZZA β02:★★★★☆
参考価格:3.5万円
86ワンメイクレースに対し開発されたタイヤ。現時点では新型となるβ04が86レースでは投入されている。同レースに使用されている他メーカーのタイヤに比べると安価であり、通常のハイグリップラジアル以上のグリップが手に入ると人気。
DUNLOP DIREZZA β04:★★★★☆
参考価格:不明
86ワンメイクレースに対し開発されたタイヤ。現時点で205/55R16以外の設定がない、2018年6月末に販売されたばかりのタイヤ。BRIDGESTONE RE-12Dに対抗すべく、6月の岡山国際サーキットでの86レースに投入された。そのレースではタイム・レース結果ともにRE-12Dには勝てなかったが、あと一歩のところまで迫っている。価格はβ02よりも少し上がるだろう。
BRIDGESTONE POTENZA RE-71R:★★★★★
参考価格:3.7万円
86ワンメイク用を除けば現時点で最強のラジアルタイヤがRE-71Rなのは間違いない。グリップ・ライフ・街乗りでの静粛性どれをとっても随一だが、その分値段も高く消耗も早い。その高いグリップ力ゆえにタイヤカスのピックアップが多いという問題もあるが、街乗りからサーキットまで履きっぱなしで行けるラジアルタイヤのメリットを最大限生かしながら最高のアタックラップを刻みたい、という高い要求に応えてくれる。
4万円~
KUMHO ECSRA V710:★★★☆☆
参考価格:4.2万円
2本の縦溝しか彫られていないという完全インチキラジアルタイヤ。実際に日本以外ではレーシングタイヤに指定され、国内でも多くのサーキットでSタイヤ相当とされている。265/35R18のラインナップはなく、どちらかといえばスリックタイヤのそれに近いサイズが揃う。スリップサインが出ていなければ車検も通るが、さすがに公道で使用する気になれない。
YOKOHAMA ADVAN A052:★★★★☆
参考価格:4.4万円
86ワンメイクレースに対し開発されたタイヤ。発売当時はライバルと互角かそれ以上の性能を誇っていたが、開発戦争が進んだ現在では他の86用タイヤに比べると、これまで優位であった周回ラップではRE-12Dに劣り、一発のタイムではRE-05Dに劣る様子であるため、2018年現在これを買う理由はあまりない。とはいってもいわゆる普通のハイグリップタイヤ以上のグリップはあり、Sタイヤほど気を使う必要はないので、AD08RやRE-71Rよりもグリップを求めるならアリ。
BRIDGESTONE POTENZA RE-05D TypeA:★★★★★
参考価格:4.7万円
86ワンメイクレースに対し開発されたタイヤ。現在ではRE-12Dが新発売されたため旧型となっているが、そのポテンシャルは高い。特に一発のタイムだけで見れば新型以上のタイムが出るらしく、タイムアタッカーに強い人気を誇る。
BRIDGESTONE POTENZA RE-12D:★★★★☆
参考価格:5.0万円
86ワンメイクレースに対し開発されたタイヤ。RE-05Dが絶対的なタイムを優先したのに対し、最新型のRE-12Dはタイムと耐久性の両立を図っている。すべては86ワンメイクレースで勝つためであり、実際に現時点(2018年7月)で同レース最強タイヤとなっているため、プロクラスでも他メーカーと契約しているはずのドライバーが使用していることすらある。