↑の記事で国内で販売されているハイグリップタイヤをほぼ全種まとめているんだが、「60種類以上紹介されても数が多すぎて何を選んでいいかわからない!」という意見があるのも事実。僕もそう思う。
なので目的別のサーキット向けハイグリップタイヤを紹介する。なお、全てのタイヤを自分で使った経験があるわけではなく、知人などの話も含んでいるので、話半分ぐらいに見てください。
結論から見たい人はこちら。
とにかくコスト重視な人向け
とにかく安上がりに済ませたい!そんなあなたにオススメのタイヤ。
accelera 651SPORT

accelera 651SPORTはこの物価高の時代においても意味がわからないぐらい安い値段設定を維持している。とにかく価格重視で安くタイヤを買いたいならこれ一択。TW100とTW200があるが、耐久性を考えればTW200を選択したい。ただ構造がグニャグニャで走っていて感触が悪い上に耐久性もそんなに高くないので、価格以外の面では微妙かもしれない。
KENDA KAISER KR20A

KENDA KAISER KR20Aは物価高の影響を受けて値上がりしたが、それでもまだ安価なレベルを維持している。僕も実際に使ったことがあるが、そこそこグリップするのに耐久性も高く、多少のヨレと熱ダレの早さの問題さえ理解していれば、トータルで見てもかなりのコストパフォーマンスを誇る。
同価格帯にあるNANKANG NS-2Rと比較されることが多いが、個人的にはKR20Aのほうがオススメ。NS-2Rは斜め方向にグリップが抜けるという特殊な癖があるので、あんまり初心者向けじゃない。

たくさん練習したい人向けタイヤ
減りにくいタイヤでたくさん練習したい!そんなあなたにオススメのタイヤ。
シバタイヤ 280

シバタイヤ 280はジムカーナ、グリップ走行、ラリー向けのTW280のセミハイグリップタイヤ。グリップ力自体はそこまで高くないが、低温時からグリップするのと、とにかく減らない。完全に冷えている状況でのグリップ力が高く、レギュレーションの兼ね合いもあるがジムカーナではかなりの使用率を誇る。

HANKOOK Ventus R-S4

減らない長持ちタイヤとして知られるR-S4。グリップ自体は国産ハイグリップに一歩劣るようだが、とにかく減らないので練習用にはバッチリ。冷間時のグリップの低さを指摘する声もあるが、価格と耐久性とパフォーマンスのバランスが優れている。

GOODRIDE SPORT RS

SPORT RSは新品時で10mmほどのハイグリップタイヤとしてはかなりの深溝のため、比較的ロングライフなタイヤとして知られる。その分初期はトレッド面のヨレなど多少の癖があるものの、グリップ力も良好。

DUNLOP DIREZZA ZⅢ

グリップ、耐久性、街乗り性能、価格などをトータルで考えても、Z3に勝てるタイヤが見当たらない。確かにアジアンに比べれば購入価格が少し高いが、耐久性も高いので結果的に安上がり。総合力は最も優れたタイヤだろう。

とにかくタイム重視な人向け
とにかくタイムを出したい!そんなストイックなあなた向けのタイヤ。
シバタイヤ 200R

シバタイヤの最強タイヤが200R。トレッドパターンはR23とR31の2種類があるが、浅溝スクエア形状のR31がよりタイムが出るとされている。僕は2022年からR23型200S(廃盤、当時の名称はTW200)を使用したが、かなりグリップが高く、自己ベストをバンバン更新した。現行のシバタイヤ200Rは筑波サーキットでラジアルタイヤでのコースレコードを樹立するなど、更に進化しているとのこと。

HOOSIER DOT Drag Radial

アメリカ製のほぼスリックタイヤ。2019年に筑波のタイムアタックイベントで海外勢が使用して圧倒的なタイムを刻んだことで知られているが、そもそもHOOSIER自体がレースタイヤ専門ブランドなのでかなり尖った性能を持っている。低温or周回数が少ないタイムアタック用のA7コンパウンドと、高温or周回数が多いレース用のR7コンパウンドの2種類が存在。

YOKOHAMA ADVAN A052

現行のADVANラジアルタイヤ最強がA052。とにかく高いグリップと扱いやすさを備え、一般道でも割と常識的な扱い安さがあるとかで、タイムアタッカーから支持を得ている。

BRIDGESTONE POTENZA RE-12D TYPE A

元々86/BRZレース用に開発されたのがRE-12Dで、それの冷間時グリップを高めてジムカーナに特化させたのがTYPE A。なのだがSタイヤに勝るとも劣らない圧倒的なグリップ力を持つため、1周しかアタックしないような本気のタイムアタッカーから支持を得ている。

個人的には、絶対的なタイムを求めるのであれば「ラジアル最強!」とかわけわからないこと言ってないで、SタイヤのADVAN A050か、いっそスリックタイヤを買えば良いのではと思ってます。すでに使ってる人はこのサイトを見ないと思うけど。
街乗りと兼用したい人向け
いちいちタイヤ履き替えるのめんどくさいし、街乗りと兼用したい!普段の快適性も譲れないし、冬でも雨でも安心して走れるタイヤが欲しい!そんな人向けのタイヤ。
サーキットでのグリップ力はもちろん、街乗りでの操縦安定性、ロードノイズの小ささ、雨天時のグリップ、真円度、重量バランスの良さなどなどをトータルで考えたときには、国産タイヤに勝てるアジアンタイヤは今のところ見たことがない。なので国産ブランドから選べば失敗はない。この中で最もグリップするとされるのはPOTENZA RE-71RS。TOYO R1Rはかなりロードノイズがうるさかったような覚えがあるので除外。
NEXEN N’FERA SUR4Gはかなりレベルの高いタイヤで良かった印象があるが、高速道路を走ると聞こえる高音のロードノイズは多少気になるレベルだった。Z3とかだとそのあたりが明らかに良いので(街乗り専用タイヤには劣るが)、トータルでの快適性ではアジアンはまだ勝てていない。
ただ、ロードノイズなんて社外マフラーを付けてたらほぼ気にならない。雨天時のグリップなんて、ごく一部の尖りすぎてるタイヤを除けば、安全運転している限り問題になることなんて無い。僕はどんなタイヤを買っても履きっぱなし運用なので、好きなタイヤを買えばいいとしか思ってない。
街乗り専門だけどかっこいいタイヤが履きたい人向け
「街乗りしかしないけど見た目がかっこいいタイヤが履きたい!ハイグリップタイヤってグリップ高いから街乗りでも安全なんでしょ?」と考えているあなたへ。
ハイグリは大抵ロードノイズがうるさいし、乗り心地は硬いし、小石を拾ってボディに傷が入りまくるし、減るのは早いし、低温時グリップは街乗りタイヤとそんなに変わらない。溝が少ないので大雨には当然弱い。
それが気になるならコンフォートタイヤを履け。
それでもかっこいいタイヤが履きたいんだ!そんな強い意志を持つあなたは好きなタイヤを履けばOK。好みのトレッドパターンやショルダー形状のタイヤを選びましょう。
結論
更新日時点で個人的に考える各目的別の万人向け最適解は多分これ。
- コスト重視:KENDA KAISER KR20A
- 練習量重視:シバタイヤ 280
- 街乗り兼用:国産ハイグリップのどれでも
- タイム重視:シバタイヤ 200R / ADVAN A052
- トータル性能:DUNLOP DIREZZA ZⅢ
「とにかく安くてそこそこなのが欲しい!」人はKR20AでOK。「サーキットでガンガン練習したい!」という人はシバタイヤ280がタイムはそこそこでもたくさん走れて結果お得。普段使いの快適差も譲れないなら国産。とにかくタイム重視ならシバタイヤ200RかADVAN A052を選べば良い
そしてグリップ・価格・耐久性などあらゆる面で総合的にバランスが取れているのはDUNLOP DIREZZA ZⅢ。確かにアジアンより値が張るものの、これを選んでおけばまず後悔することはない。




でも悩んでる時間が楽しいものなので、無数のハイグリップタイヤとにらめっこしながら好きなのを選ぶのがいいと思います。
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