バイクと違い箱車ならクラッシュ時にアスファルトに体をこすりつけられることなんてそうそう起こりえないのだけども、場合によっては天井やハンドル、窓や内装部品、外から飛んできた石など様々なものに衝突、その結果脳震盪などを起こしてぶっ倒れるなんてことはザラにある。なので少なくともヘルメットについては信頼のおけるものを使うべきだと僕は思う。
SNELLやFIA規格を通っていればどのモデルでも一定の安全性は担保されるのだが、やっぱりそもそも安い物ではないので、多少予算を張ってでも気に入ったデザインや性能の物を選びたい。
ARAI GP-7いつ発売するんだ問題
僕はこれまでARAIヘルメットを愛用してきた(バイク用はSHOEIだけど)ので、新調するのもARAIがいいな~という思いはあったのだが、ここで一つ問題があった。
ARAI GP-7発売されない問題
これを書いてる2020年6月時点でARAIの一般向け四輪ヘルメットはGP-6シリーズなのだけども、実は2019年からF1ドライバー用に新型のGP-7が投入されている。というわけで新型が間違いなく出るのだが、これがどうも2020年10月ごろの発売を予定しているらしく、僕が必要な時期には100%間に合わない。GP-7はSサイズの帽体しか最新規格を通過できなかったとかでF1ドライバーのシェアも落ち込んでいるし、新型コロナウイルスの影響で予定通りに発売されるか怪しい。
しかもGP-6シリーズは、取得している規格が少し古かったり(SNELL SA / FIA 8859)、往々にしてARAIのヘルメットは他のメーカーに比べると重たかったりと、性能的にも最良とは言えない。製造・試験工程もいろいろアレで、少なくとも今GP-6を選ぶ理由は無いな、と思った。
…と、いろいろ言ってはいるが、2020年は5年周期で切り替わるSNELL規格の更新年。どのメーカーも2021年に向けて新規格品を発売すると思われるので、ヘルメットの新製品が欲しいなら2020年の冬ごろに検討するのが良いと思う。
BELL RS7 Pro
というわけで他メーカーの四輪用ヘルメットをいろいろ検討してみて、最終的に選んだのがこれ。
BELL RS7 Pro。BELLヘルメットの中ではカーボンモデルを除けばこれが最上位モデル。
- サイズが54~61+まで1cm刻みでラインナップ
- ダブルスクリーンアンチフォグシールド標準装備
- SNELL2015 / FIA8859-2015規格
- Lightweight Compositeシェル
- FIA8858-2010適合のHans Post Clip標準装備
特にHansポスト(HANS取り付け用の金具)や曇らないシールドが標準装備なのはお得感が大きい。というか実際GP-6と値段が変わらないのでお得。
デザイン的にもアクが強めのBELLにしてはかなりシンプルで、かつダクトやシールド周りのデザインもすっきりしていてかっこいい。
高いフィット感の内装
自分の頭のサイズとピッタリの58サイズを選んだのだがフィット感はばっちり。内装の素材は不明だが肌技りも良好(どうせフェイスマスクをつけるので関係ないが)。頭頂部はメッシュ素材の内装になっており、ベンチレーションもたくさんあるので蒸れも抑えられている。
重心位置も適切なのか被った時の違和感も特になかった。あまった顎紐を留めるボタンは存在しない。
お得感のある標準装備
箱車だとシールドを締めずに走ることがほとんどなので特に関係は無いのだけども、シールドが二重構造になっているので吐息で曇ったりしない。シールド越しの視界は良好。
標準装備のHANSアンカーにはBELLのロゴが入る。これ単品で買うと1万円ぐらいするので、これが付属してるのはありがたい。
四輪用ヘルメットとしては十分な軽量設計
重たいヘルメットは首の負担を増やしてしまうので、できれば軽いほうが良いのだが、四輪用ヘルメットはFIA規格的に少し重くなってしまう傾向があるらしい。HANSアンカーの取り付けや耐火性など二輪用途はまた違った要素が求められるので仕方がないのだが。
実際に測ってみたところ、今回入手したBELL RS7 Pro(58サイズ)の重量は1413gだった。これは手持ちのカート用ARAIヘルメットより180gほど軽く、GP-6や廉価版のGP-6Sはこれより明らかに重たいので、この数値は優秀だと思う。
F1シェアNo.1ブランドの実力
BELLのヘルメットってどうなんだろうなぁと思いながら買ったのだけど、さすがはF1トップシェアブランドなだけあって本当によくできてるな~と感心した。しいて言うならオプションパーツが結構なお値段なのだけども、必要ないので関係なし。廉価モデルと比べれば値は張るが、満足度の高いヘルメットだった。
コメント