【レビュー】HANS CLUB3:一昔前のハイエンドに迫る軽量さを手に入れたFHRシステムのエントリーモデル

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HANSに代表されるFHRシステム(頭頚部保護システム)は、今や主なレースイベントでは必備とされている。これはいわば首のシートベルトのようなもので、クラッシュ時に首が伸びるのを抑え、衝撃を大幅に低減してくれる品物。FHRシステム×対応ヘルメット×バケットシート×レーシングハーネスの組み合わせで初めて効果を発揮するものなので、導入コストがかなり高いのが難点だが、怪我をした時のコストよりはるかに安い。

HANSデバイスは、「頭(ヘルメット)のシートベルト」と考えてもらえるとわかりやすいと思います。今回は、そんなHANSデバイスの有用性や、クラッシュ時のチェックポイントを解説します。

Stand21 HANS CLUB3

そんなわけで僕が必要に駆られて購入したのが、Stand21のHANS CLUB3。CLUB3はHANSシリーズの中でもエントリーモデルで、角度は箱車用となる20°モデルのみをラインナップ。僕は自分の体形に合わせてMサイズを選択した。

かつてのハイエンドに迫る軽さ

HANSといえばやっぱりF1ドライバーが装着しているようなカーボンのモデルが有名だが、ああいうのは日本での販売価格が20万円ほどと庶民が手を出しずらい価格帯になっている。しかし保護性能という点においてはエントリーモデルと変わりはなく、スペックシートから見える最大の違いはその重量ぐらいしかない。

HANS CLUB3は強化樹脂製ながら、パッドやテザー込みの重量は740g(計測値で730g)。かつてのハイエンドモデルであるHANS Ultimateが550gということなので、その差は190gしかない。最廉価モデルのHANS CLUBは950gなのでずいぶん軽くなっている。

…でも個人的には、どうせシートベルトで上から締め付けられるのだから、重かろうが軽かろうが変わりは無いのでは、という気もする…。

デザイン的にはハイエンドと同じく中央部分が抜けた、薄くすっきりした形状になっているのがかっこいい。FIA公認を示すホモロゲステッカーが貼られている場所の曲面がきつすぎて、剥がれそうで怖い。

保護パッドはマジックテープで好きな場所に停められるようになっている。本体側のテープのサイズが左右で違いすぎるのは…使用上における問題はないので…。

パッドを中央に貼ると隙間が狭すぎて首が通らなかったので、パッドを外側にずらして装着。特に問題は無さそう。

肩ベルトが落ちないためのサポートが付いているのだが、3インチのレーシングハーネスでも問題なく使用できた。

バックサポートが薄いので違和感が少ない

少し前までは「HANSを付けるとヘルメットが前に押されるから違和感がある」なんて話が合ったのだが、実際にHANS CLUB3を付けてシートベルトを締めてみても、そこまでの違和感は無かった。

これはおそらくバックサポート部分がかなり薄くなっているのが理由(一番薄いところで約5mm)。シートポジションを変更したりしなくて済むのはありがたい。

左右への首振りも、真横を向くのは無理だがある程度の自由度があるので、グリップ走行なら問題ない。ドリフトでケツ進入とかしてる人は、HANSを付けた状態で先が見えているのかちょっと気になるが…。テザーが動く「ズリズリズリ」という音がヘルメットの中に響くのだが、そこまで気にならない。

クラッシュ発生時にはテザーが突っ張って首の伸びる量を制限してくれる。正直思ったより前に動けるなという感じはあるのだが、事故の時は首はかなり伸びるらしいので、安心感は大きい。

万が一の事故への備え

事故を起こさないことが最も大切とはいえ、避けがたい事故はいつか必ず起こるので、その時のために備えておくことは大切。HANSもずいぶん手の届きやすい価格帯まで下がってきたので、買える安心はここらで手に入れておいた方がいいかもしれない。