人生で初めて、RX-8用に新品ホイールを購入した。
……新古品だけど。
Kosei K-1 Racing TS version
長期在庫の新古品なだけあっていい具合に箱がぼろいが、新品ホイールなんて買ったことないので開けるのドキドキする…。
というわけで今回買ったのが、Kosei K-1 Racing TS version。……といってもメジャーなホイールではないので知っている人は少ないかもしれない。鋳造ながら鍛造に迫る軽量さが売りのホイールだ。
Koseiは、自動車メーカー純正ホイール等のアルミ製品を多く製造する光生アルミニューム工業の自社ホイールブランドで、Racingの名を冠したこのホイールは競技向けモデル。残念ながらKoseiは2020年現在ではあまり自社ブランド製品に力を入れていないようで、K-1 Racing TS versionもすでに絶版になっている。
かつて一世を風靡したBuddy Club P-1 Racingという6本スポークの軽量ホイールを製造していたのが光生アルミニューム工業で、かつてはブランド名を変更しただけのKosei K-1 Racingというホイールも存在した。P-1(K-1) Racingは単純な細身の6本スポークなので、今回のTS versionとは「Twin Spokes」の意味ではないかと思われる。ENKEI RPF1に似てるのは気のせい。
少し面白いのは、このホイールはエアバルブを2個備えるツインバルブになっていること。窒素ガスやドライエアの充填に適した構造なので、ヴィッツレースなどのワンメイクレースの世界では、このホイールは一時結構なシェアを持っていた。
今回入手したサイズは4本すべてが17インチ×9J +45 114.3-5H、色はSS(スーパーシルバー?)。ホイールに貼られたラベルによると2011年3月に製造されたものとのこと。
Racingモデルではあるが、リムの内側にタイヤのずれを防止するローレット加工などは施されていない。
センターキャップとアルミエアバルブ、ナットアダプター(17mm→19mm/17mm)が付属していた。製品保証書も付いていた。
このエアバルブ、一般的な金属バルブに比べてシール部分がやたらと小さい仕様になっているのが気になる。長期保管品で流石に古いし、エア漏れするとタイヤの組み換えでお金がかかるので、今回は付属エアバルブの使用をパスすることにした。
スーパーフォーミング製法+軽量塗装で実重量7.4kg
Kosei K-1 Racing TS versionはKosei独自のフローフォーミングである「スーパーフォーミング製法」が採用されている。おかげで特にインナーリム側は非常に薄く軽量に作られていて、しっかりと作られたディスク面に比べて華奢な印象すらある。慣性モーメントはかなり少なそう。
ディスク側の塗装は綺麗に塗られているが、明らかに薄い。さらに裏面に関してはほぼサフェーサーしか塗られていない。これが安さの理由?塗料の量すら減らしてストイックに軽量さを追求しているように見える。
その結果、手元の体重計での計測によると、実重量は驚異の7.4kg(17×9J +45)だった。超軽量な鋳造ホイールとして有名なENKEI RPF1の同サイズがメーカー公表値7.3kg~なので、計測誤差を考慮しても同レベルの軽さを実現している。これ以上軽いホイールを選ぼうと思ったら鍛造品から探すしかなさそう。
ストイックな競技用ホイール
Kosei K-1 Racing TS versionは、販売当時から比較的手ごろな価格で販売されていた上に、凝った切削加工などがされていないシンプルなデザインとなっているのにも関わらず、軽量であることに拘った非常にストイックなホイールだ。
今流行りのコンケイブ形状ではないし、全くメジャーではないが、僕はこういう隠れた逸品が好きなので、重量や形状を含めて大満足。実際にサーキットで使ってみてどうかという部分は気になるが、競技での実績もあるホイールなので期待しながら、大切に使っていきたい。
Kosei K-1 Racing TS versionは絶版品なので、同じような軽量ホイールが欲しい人は素直にENKEI RPF1を買いましょう。
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