【レビュー】ZESTINO ACROVA 07A(FIVEX Gerun 051A)はたくさん練習できるコスパタイヤ

4.5

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そういえばZESTINO ACROVA 07Aのレビュー記事を書いていなかったので、書いていこうと思う。現在ではFIVEX Gerun 051Aとブランドと製品名が変わった形で販売されているものだが、FIVEXブランドの物と全く同一のスペックであるという保証はないので、参考までにしてほしい(FIVEXブランド化した際にサイドウォールが柔らかくなったという情報があるが、Gerun 051Aに関しても同じかどうかは不明)。

使用していたタイヤは、4本すべてサイズは235/45R17、UTQGは280AAA、2018年第12週に製造されていた。適正サイズとなる8Jのホイールに装着していた。

使用期間は2018年7月~2019年12月、その間の走行距離は約1.7万km。現在は街乗り用に保管してある。

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サーキットでの印象

ZESTINO ACROVA 07Aはそもそもドリフトの練習向けとして開発された高寿命タイプで、絶対的なグリップを求めているタイプのタイヤではない。トレッドウェア280の数値的に言っても、ハイグリップタイヤとセカンドグレードスポーツタイヤの中間、ぐらいのイメージのタイヤである。FIVEX Gerun 051Aでは「街乗り+αのグリップをお求めやすいプライスで」というサブタイトルが付いており、せいぜいワインディングで楽しむぐらいのイメージで販売されている。

僕はそういうのを無視して、グリップ走行でミニサーキットを5回走行した。

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空気圧は温間2.4kPa狙いで設定

ZESTINO ACROVA 07Aは新品で8mmの溝を持っており、他のハイグリップタイヤや同シリーズに比べると2mmほど深溝。また全体的にそこまで高剛性なタイヤではないので、少し張り気味でエアを入れたほうが感触が良かった。

冷間→温間、そしてそこから先のグリップ低下も含めて、温度や内圧変化によるグリップの変化量は比較的穏やかなのでとても扱いやすい。特に雨上がりや冬場などの路面温度が低い状況でも安定してグリップするので、安心感がある。

ドライグリップ★★★☆☆

そもそもハイグリップタイヤではないので絶対的なグリップ力は高くない。それでも美浜サーキットで47.8秒、鈴鹿ツインサーキットGコースを40.1秒で走れたので、絶対的なタイムを望まないのであれば十二分に楽しめる性能を持っているはず。

鈴鹿ツインGコース RX-8 40.197秒 Zestino Acrova07A 2018/12/13

特性としては縦グリップがあまり高くないので、直線的なブレーキングは少し慎重に行ったほうがいい。横グリップもそこまでないのだが、ドリフトタイヤらしくスライド時の唐突なグリップ抜けなどが無く、むしろ少し滑ってるぐらいのところが一番タイムが出た。タイムを求めるならブレーキングを含めてタイヤを斜めに使う感じで走らせるといいかもしれない。

転がり感もこの手のアジアンタイヤとしては軽めで、スムーズにコーナーを立ち上がっていける。絶対的なタイムは出ないが気持ちがいい。

レイングリップ★★★☆☆

滑っていない領域では思いのほかグリップ感があるのだが、そこからスパンとグリップが抜ける。ドライでの印象と真逆だ。これは唯一レインで走った時は、エア圧をろくに調整せず燃費重視の冷間2.5kPaのままだったことが原因かもしれない。もうちょっと下げればフィーリングが良くなった可能性はある。楽しむには十分なグリップ。

オートランド作手 ウエット RX-8 Acrova07A 33.972秒 2019/04/24

熱入りの早さ★★★☆☆

可もなく不可もなく、といった感じ。冷間時からいきなりアタックしてもそこそこのグリップ感があり、ミニサーキットなら3周目あたりがベストタイムになるはず。最大グリップが高くない分グリップ変化が穏やかなので、ジムカーナ的な使い方でも十分生かせるのではなかろうか。

周回性能★★★☆☆

連続周回をしてもそこまでタイムは落ちないが、フィーリング的には悪化するので周回性能はそこまで高くない。走れば走るだけタイムが上がるような人には悪くないかもしれない。

一度熱が入ると完全に冷めるまで戻ってこないので、一発タイムを決めたい人はセッション中にピットでタイヤに水をかけるなどして積極的に冷却するといいかも。

操縦性★★★★★

絶対的なグリップの低さを念頭に置いておけば、動きは軽いしアンダーオーバーの出方も素直で穏やか、スライドコントロール性能も良いので、操縦性は高い。変なだるさや極端な癖もあまり感じない。

ただ先述の通り、このタイヤでのタイムを求めるなら一般的なハイグリップタイヤとは少し違った走らせ方が必要になる。

耐久性★★★★★

全然減らない。1.7万キロ、5回のサーキット走行を経てもなお5mm以上余裕で残っている(2mm少々しか減っていない)。KENDA KR20Aのように溶けるというよりも削れて減っていくタイプのタイヤのようで、一般的なハイグリップタイヤに比べると耐久性はかなり高い。

執筆時点で最後まで使いきっていないので不明だが、使用していた限りでは極端なグリップ低下は認められず、長く楽しめるタイヤだと思う。

街乗りでの印象

ドライ性能★★★★★

多くのハイグリップと同じようにドライ性能に不満は無し。道交法に則って走っている限りにおいて何一つ不満はなく、安心して走れる。

レイン性能★★★★★

レイン性能も不満は無し。特に深溝なこともあって雨量が多い時の不安感も少なかった。ただやはり一般的なタイヤに比べると溝が少ないので、明らかに水たまりが多いような状況は少し注意したほうが良い。

静粛性★★☆☆☆

新品はすごく静かだったが、サーキットで一度使った後は高周波のロードノイズが響く。気になる人は苦痛を感じるかもしれないが、社外マフラーを付けていたらもしかしたらそこまで気にならないかもしれないレベル。高速道路ではさらに音量が大きくなり、特に路面の悪い場所だと不快に思う。個人的にこの高周波ノイズは非常に耳に響くので、高速道路を延々と走っているとものすごく疲れる。

乗り心地★★☆☆☆

乗り心地も良くはない。当たりが硬く、路面のちょっとした凹凸が気になる。まぁハイグリップとしてはそんなものかなという範囲ではある。

耐久性★★★★☆

減らない。1.7万キロ、5回のサーキット走行を経てもなお5mm以上余裕で残っている。同ペースで行けば3.4万km、10回のサーキット走行を経てスリップサインに到達するかどうか、といったところなので、長く使えるという意味においてはコストパフォーマンスがとにかく高い。

たくさん練習できるコスパタイヤ

サーキットを走るととにかくガソリンとタイヤが減っていくのだが、ZESTINO ACROVA 07Aはとにかく減らない。グリップが低いといってもそこら辺のセカンドグレードスポーツタイヤに比べればかなり高く、操縦性に極端な癖もないので練習用にはもってこいだと思う。街乗りタイヤとしての静粛性や乗り心地の悪さは玉に瑕だが、そこ以外の総合成績は非常に高い。絶対的なタイムを狙うのではなく、運転技術の向上を図りたい人にオススメのタイヤだろう。

また最近一部のジムカーナ大会で指定されている「TW280以上のタイヤ」にマッチするので、競技用としても良いと思う。冷間時から安定したグリップが発揮されるので、成績にもつながるかもしれない。

現行製品のFIVEX Gerun 051Aはラインナップが17-18インチしかないのが残念だが…。