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【レビュー】NEXEN N’FERA SUR4G:高いグリップと操縦性を併せ持つ高コスパアジアンハイグリップタイヤ

NEXEN N’FERA SUR4Gのレビューをまとめる。使用したものは4本全て255/40ZR17。UTQGは200AA。2021年3月に購入したが、全て2019年第32週製造品だった。新品時のタイヤの幅は実測265mmで、重量は1本あたり12.0kgだった。

使用期間は2021年5月~(現在使用中)。

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サーキットでの印象

NEXEN N’FERA SUR4Gで走ったサーキットは以下の通り。ミニサーキットから国際サーキットまで幅広く走り、ミニサーキットでは雨天の走行も多数。

空気圧は温間200kPaを狙う

NEXEN N’FERA SUR4Gで最も重要なのが空気圧の設定。ある一定の空気圧を超えると挙動が大きく変化する。空気圧設定には少しシビアになる必要がある。

僕が試した限り、温間210kPaを超えると動きが軽快になると同時に限界域での踏ん張りが弱くなり、そ更にエア圧が上がる(220kPa以上)とスパッとグリップが抜ける動きが出てくる。逆に空気圧を下げすぎると動きが重たくなってくる。このため空気圧は冷間160kPaあたりからスタートし、温間200kPa前後で使用するのが最もグリップ感が高く、安定して走行できる印象があった。もちろんこれは走り方や車重、車両の性能、はたまたタイヤサイズにも左右されるので一概には言えない。参考程度にして欲しい。

以下のサーキットでのレビューは、基本的に温間200kPaで使用したときの話となる。

ドライグリップ:★★★★★

スポーツラジアルなアジアンハイグリップタイヤとしては非常に高いグリップを持っている。特に横方向にかなり踏ん張ってくれ、ハンドルの手応えもしっかりとあるのでコーナリング中の安定感が高い。それに比べると縦方向は若干弱く、ストッピングパワーもトラクションももう一つあれば…と欲が出てくるが、レベルとしてはかなり高いところにいる。

レイングリップ:★★★★☆

レイングリップも十分にある。街乗りで設定してある冷感250kPaだとシビアだが、冷間200kPaまで落とせば唐突なグリップ抜けは抑えられ、しっかりとグリップして走ってくれる。本降りのタイヤが冷え切った状態でジムカーナもやってみたが、排水性も大きな問題はなし。ただブレーキとアクセルの踏み方には少し気を使ったほうがいい。

熱入りの早さ:★★★★☆

計測1周目からフルアタックできるほど熱入りは早くないが、常識的な範囲でタイヤグリップは上がる。オートポリスで気温5℃以下のコンディションでは流石にアウトラップでは注意する必要があったが、計測3周目にセッションベストが出たので、通常サーキット走行をするにあたってはここをそこまで気にすることはないはず。

逆にジムカーナのような冷えた状態からいきなりアタックする必要のある競技だと少し物足りなさを感じるかもしれない。が、冷えた状態でも極端にグリップが低いわけではないので十分楽しめるはず。

周回性能:★★★★★

NEXEN N’FERA SUR4Gは周回性能が高く、熱が入りきったあとのグリップダウンが少ない。真夏に走っていないのでその状況下では不明だが、春・秋・冬では一度熱が入れば安定して走り続けることができた。熱が入るとフィーリングが悪化する感触も控えめで、とても扱いやすい。

操縦性:★★★★★

ハンドルの切り始めからしっかりと手応えがあり、限界域での踏ん張りやコントロール性も(エア圧が上がり過ぎなければ)しっかりある。タイヤのトレッド面だけがヨレるような感触も無く、剛性感が高くしっかりとドライバーの操作に応えてくれるので、動きの予測が立てやすい。アジアンタイヤとしては転がり感が軽いのも嬉しく、車がすっと前に出ていく感覚がある。

ただしこれは空気圧が適正であるときに限る。最初に書いたように空気圧がある程度高くなると急激に裏切られるような動きが出てくるので、そこまで含めた場合の操縦性は★3つぐらいが妥当かもしれない。

耐久性:★★★★☆

耐久性は非常によく、摩耗肌もかなり綺麗。あまり特別なセッティングをしなくても内~外までまんべんなく使えるし、ピックアップもさほど拾わず(近年の超ハイグリップタイヤがたくさん走っている環境だとそれなりに拾うが)、かなり扱いやすい印象を受けた。

ただしタイヤを空転させてしまったり、わずかにスライドした状態でコーナリングするなどの走り方を行うと一気に摩耗が進む(これは一般的なタイヤの特性でもあるが)。予想以上に摩耗させてしまったときは乗り方を改善した方が良いだろ。

街乗りでの印象:★★★★☆

街乗りでの話はサクッと簡単に行う。グリップに関してはドライ・レイン問わず非常に安定しており、制限速度内で走っている限り不満に思う場面は一切ないはず。操縦性も非常に良いので、ワインディングロードを走る場面でもすっと車が動いていくのが気持ちいい。乗り心地も硬派ではあるが、タイヤの重さにつられて足回りがバタバタしてしまうようなことはなく、きちんと路面の凹凸をいなすので悪くない。

ただ静粛性に関しては劣り、若干ではあるが高周波のノイズが響く。音量自体はさほど大きくはないものの、ノーマルマフラーの車両だと耳障りに感じるのは事実。おそらく社外マフラーに交換してある車両ならほとんど気にならないレベルだとは思われるが、その辺を気にする人は他のタイヤを選んだほうが幸せになれるだろう。

ハイパフォーマンスを低価格で手に入れられる高バランスタイヤ

NEXEN N’FERA SUR4Gは(2021年3月の購入時点で)255/40R17が1本1.3万円という低価格ながら、高いグリップとハンドリング性能、そして高耐久性を兼ね備えるハイパフォーマンスタイヤだと言えるだろう。唯一の難点はエア圧がシビアだということだが、一度その特性さえ理解してしまえばもう間違えることはないはず。これまで使ってきたアジアンタイヤの中で最も転がり感がよく、ヘアピンコーナーからの立ち上がりでスッと車が前に出る感触をこの価格帯で味わうことはなかなかできない。僕としてはかなりこのタイヤを気に入ってしまった。なんならおかわりしたいぐらい。

ただ2022年6月現在はNEXEN N’FERA SUR4Gがほとんど日本国内では販売されていない。過去にも流通在庫があったりなかったりやたら値段が高かったりしたので、不定期に輸入されているのかもしれない。一応ネクセンタイヤジャパンにも、本国である韓国NEXENのWEBサイトにもラインナップに掲載されているのだが…。またNEXEN USAからはN’FERA Sport Rという新型の左右非対称パターンTW200タイヤが登場しているので、もしかしたら近々そちらに切り替わるのかもしれない(ただSport Rという名称は日本ではGR86/BRZレース用タイヤに使用されているし、アメリカのSport Rが日本に入ってくるかは不明)。

良いタイヤなのでちゃんと販売して欲しい…。

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