シバタイヤTW200(MY2022)のレビューをまとめる。使用したものは4本全て255/40ZR17。UTQGは200AA。2022年9月に購入したが、全て2022年第13週製造品だった。新品時のタイヤの幅は実測265mmで、重量は1本あたり12.0kgだった。
使用期間は2022年11月~2024年7月。シバタイヤTW200はモデルチェンジに伴い絶版されており、現行品は2024年に発売された200R(トレッドパターンはR23とR31の2種類)になっている。
シバタイヤは岐阜県の柴田自動車株式会社(R31 HOUSE)が中国のRYDANZ(レイダン)に製造を委託して作っている。
サーキットでの印象
シバタイヤTW200(MY2022)で走ったサーキットは以下の通り。ミニサーキットから国際サーキットまで走ったが、雨天走行はしていない。
美浜サーキット・オートランド作手・オートポリスの3コースで自己ベストを更新している。
空気圧は温間180~190kPaを狙う
シバタイヤTW200はタイムを出そうとするとエア圧が少しシビアで、200kPaを超え始めるとグリップが下がっていく感じがある。挙動が大きく変わるわけではないので分かりづらいが、タイムは確かに出づらくなる。
冷間160kPaスタートでも200kPaを超えることがあるので、連続周回を重ねるつもりなら低圧スタートがオススメ。ただし温まりは良くない(特に冬場は悪い)ので、エア圧が上がるまでは多少注意が必要。
ドライグリップ:★★★★★
ドライグリップの高さは文句なし。というか、これまで使ってきたどのハイグリップタイヤよりもグリップが高い。実際に美浜サーキット・オートランド作手・オートポリスの3コースで自己ベストを更新したことからもそれは明らかだし、オートランド作手に関しては夏場にタイム更新している。ライバルがADVAN A052などのスーパーハイグリップタイヤなのも頷ける性能。
縦横のグリップバランスも良く、斜め方向に力をかけても止められる。ただし新品だと横方向に引っかかる感じが多少あり、若干ではあるが扱いづらさを覚えたところもあった。
レイングリップ:不明
雨天でのサーキット走行はしていないので不明。ただし温度依存性が高いタイヤなので、雨天など低温環境下でのグリップには余り期待できない。
熱入りの早さ:★★☆☆☆
熱入りは正直良くなく、真夏でもミニサーキットだとコースインして1周目からアタックするのはよほどうまくやらないと難しい。シバタイヤTW200は表面温度が60℃を超えてからグリップし始めるという特性があるので、最初はゆっくりとタイヤを暖めることを意識して、2~3周目からのアタックが吉。
またこの温度依存性が高いという特性上、真冬は特に気をつける必要がある。下手に走るとコースイン直後にスピン、なんてこともあり得るぐらい初期グリップは低い。
周回性能:★★★☆☆
ベストタイムが出た後のタイム落ちは大きめで、周回性能はあまり高くない。夏冬問わず、タイヤが完全に冷めるまではベストタイムに戻ることが無いので、ベストラップに近いところで走り続けたい!という人には向いていない。どちらかといえば一発でタイムを決めきれる人向け。
ただタイヤが垂れていても極端に操縦性が変わったり摩耗が増えたりするわけではないので、タイムを気にしないのであれば走り続けても問題ない。
操縦性:★★★★★
縦横のグリップバランスが良く、転がり感も良い。限界域での唐突な滑り出しなども控えめで、タイヤがヨレる感覚も少ない。温まってさえいれば操縦性は高い。
新品時はトレッドの深さゆえか若干ヨレる感覚があり、また横方向に妙に引っかかる感じがあり少し戸惑ったところがあったが、少し摩耗すると素直な特性に変化した。グリップは高いが弱アンダー気味で、特にフロントのトー角に対して機敏に反応するように思う。フロントのトーは若干アウトに開いたほうが走りやすかった。
耐久性:★★☆☆☆
高いグリップと引き換えに耐久性は高くない。シバタイヤTW200を履いていた時期は余りサーキット走行ができなかったが、摩耗は速かった。最後のモーターランド鈴鹿ではフロントの手応えが希薄で、タイヤの旨味が無くなっていることを実感した。
特にタイヤの中央部分とショルダー部分が減りやすく、何故かその間の稲妻マークは最後まで深く残っていた。どうやればうまく均等に減るのかがわからない。
ピックアップは酷くないので割と扱いやすい。僕は完全に履きっぱなしで、タイヤカスを剥がしたり擦ること無く使い続けたが、
街乗りでの印象:★★☆☆☆
常識的な範囲で街乗りする限りではドライでは安定しており、グリップに関しては文句なし。轍に取られやすかったり乗り心地は悪かったりはするが、ハイグリップタイヤならこんなもんだろうと納得できる範囲。
ただし冬場のグリップの低さに関しては気になるところが大きい。交差点などで大きくハンドルを切ってフロントに抵抗がある状態でクラッチを繋ぐと、リアタイヤがいとも簡単に空転することが多々あった。雨の日も大人しく走っている分には問題ないが、こころなしか不安を感じるようなところはあった。
静粛性は極めて悪く、ゴロゴロとした低周波ノイズが大きめに響く。社外マフラーに交換している人ならそこまで気にならないとは思うが、一回サーキットを走ってトレッド面が荒れるとも結構うるさい。
国産スーパーハイグリップタイヤと直接戦えるタイヤ
シバタイヤTW200は温度依存性が高いというピーキーさはあるものの、温まってしまえば国産のスーパーハイグリップタイヤと肩を並べて走れる高いグリップと走りやすさを持つ素晴らしいタイヤだった。しかも購入時点では255/40R17が送料込みで1本1.5万円で変えたのはバリュープライス。青天井にタイヤ代を出せる人を除けば、このタイヤでタイムアタックしない人はおかしいぐらいトップレベルのグリップを持っている。
ただし2024年8月現在は為替の影響を受け、現行品の200Rは同サイズがR23型で2.3万円、R31型で2.6万円と価格が高騰(別途送料)。200RはTW200よりもグリップも耐久性も向上したという話だし、ライバルとなる国産タイヤがこれ以上の値上がりなので依然として価格優位性を保っているのは間違いないが、単純にアジアンタイヤとしてみると値段が高い。もうちょっと価格が戻ってきたら、その時の最新のシバタイヤを試したい気持ちは強くある。
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