我が家にはセルスターのDRC-600というバッテリー充電器があり、少し弱ったバッテリーの充電や普段乗りしてない車の保護充電には十分使える。ただ過放電で弱ったバッテリーに繋ぐとすぐにエラーが出て充電できなかったり、パルス充電をしてくれる割にはあまりバッテリーを復活させられなかったり、シンプルすぎて充電状況やバッテリー電圧もわからなかったりと今ひとつ。

とはいえ国産ブランドの充電器で、それなりに高性能なものを買おうと思うと結構いい値段がする。ここは試しに中華格安充電器を買ってみるか…。
LVYUAN BC-10 バッテリーパルス充電器

というわけで買ったのがLVYUAN(リョクエン)という謎中華メーカーのバッテリー充電器。12V/24Vのバッテリーに対応し、最大出力電流は10A。個人的な経験値として10A~15Aぐらいの電流があると普通車の充電はいい具合のスピード感でできるので、これぐらいを選びたい。
10Aぐらいの充電器は国産ブランドだと数が少ないので比較しづらいが、だいたい国産の場合は6000~7000円ぐらいの価格で販売されている。対して今回のLVYUAN BC-10は購入時でおおよそ3500円ほどと、ほぼ半額で購入できた。めちゃくちゃ安い。
ちなみにLVYUANには15A以上のモデルもあるが、とたんに値段が7000円台に跳ね上がり、メルテックなど国産ブランド品と価格差が無くなってしまう。普通車用でコスパを考えれば今回のBC-10は狙いどころだろう。

- 充電器本体
- 取扱説明書
- ブランドカタログ
が付属。本体にかかれている言語は日本語だし、取扱説明書は極めて丁寧な日本語で書かれており、フォントを含めて怪しい部分がほぼ無かった(よく読めば誤字など微妙に変なところはある)。日本向けにしっかりとローカライズされている様子だし、1年間の製品保証もある。
ここまでローカライズするなら、LVYUANなんて絶対読めないブランド名も変えるべきだと思うが…。
スペック
| ブランド | LVYUAN |
| モデル | BC-10 |
| 入力電圧 | AC100-240V 50/60Hz |
| 出力電圧 | DC14.9V±0.5V DC29.2V±0.8V |
| 出力電流 | 12V:1.5A/10A 24V:1.5A/5A |
| 最大消費電力 | 140W |
| 本体サイズ(実測) | 約175×97×65mm |
| 電源ケーブル長 | 1500mm |
| 充電ケーブル長 | 850mm |
| 使用環境温度 | -10~45℃ |
| 本体重量 | 約550g |
| 適合バッテリータイプ | 12/24V 鉛バッテリー 12/24V AGM/GELバッテリー 12/24V リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリー |
| 適合バッテリー容量 | 12V:6AH~180AH 24V:6AH~90AH |
本体サイズが約175×97×65mmと割とコンパクトなのが嬉しい。このスペックでそれを期待する人はいないだろうが、24Vバッテリーにも対応している。
また通常の鉛バッテリーはもちろん、欧州車で普及が進むAGMバッテリー、さらに最近話題のリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリーにも対応している。AGM対応なので、オプティマバッテリーに代表されるようなドライバッテリーにも使えるはず。サーキットユーザーや船用のバッテリーに使いたい需要にも応えられる。
ただし修復モードはLiFePO4バッテリーには使えない。またジャンプスターター機能も無い。

本体は正直安そうな見た目だが必要十分。真ん中にある「MODEボタン」だけが唯一の操作ボタンとなる。

クリップは結構しっかりした作り。つまんでいるときにぐにゃっと曲がったりしない。ただし本体~クリップまでの充電ケーブルが850mmとちょっと短めなので、作業場所によっては扱いづらいかも。ボンネット内に本体を置いて使う分には支障ない。
コンセント未接続時はバッテリー電圧を確認できる

地味に嬉しい機能として、コンセントを繋がずにクリップだけバッテリーに繋げると、そのバッテリーの電圧をチェックできる。簡易的にだが今のバッテリー状態を知れるので便利。
MODE切り替え
LVYUAN BC-10は最初にバッテリーの種類や使いたい機能を設定して上げる必要がある。逆に言えばそれ以外に設定する項目はない。

コンセントに接続すると本体が起動する。初めての起動時はインジケーターが「AGM」になっている。ここからモードボタンを1回ずつ押すごとに、

STD(一般的な自動車用鉛バッテリー)

MOTO(バイク用の小型鉛バッテリー)

LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)

REPAIR(修復モード)
とモードが切り替わる。試してみた限り、端子やプラグを外しても前回のモードが引き継がれる様子なので、よく使うモードのままにしておけば後はバッテリーに繋ぐだけの簡単操作になっている。
必要なモードに設定したら、クリップをバッテリーに繋ぐ。バッテリーに繋いで30秒経過するとモード切替が固定される。
鉛バッテリーの充電
まずはLVYUAN BC-10でバイク用の鉛バッテリーの充電を試してみる。

MOTOモードにしてバッテリーを接続すると充電が開始されるのだが、この時バッテリーの状態によって以下の充電ステージが自動で切り替わっていく。
- DES:パルス充電ステージ
- SS:ソフトスタートステージ
- CC:バルク充電ステージ
- CV:アブソーブ充電ステージ
- TET:バッテリーテストステージ
- REC:補充電ステージ
- FUL:フロート充電ステージ/満充電
ステージの切り替わりはMODEボタン周囲のLEDランプで確認できる。今回のバッテリーは充電開始時点で電圧が12.5Vあったので、接続するやいなや一気にRECステージまで切り替わって行った。

RECステージで充電が完了したらFULステージに切り替わり、充電が停止する。このステージではバッテリー電圧が12.5Vを下回ったら自動で充電を再開する「フロート充電」を行ってくれる。普段動かしてない車であれば、充電器を繋ぎっぱなしにしておいてOKということ。
というわけでそこそこ状態の良いバッテリーであれば、モード選択さえしてしまえばバッテリーに繋ぐだけの簡単操作なのに、今充電器が何をしているのかがわかるという親切設計。充電されてないかドキドキしなくていいのは嬉しい。
死亡したバッテリーを修復してみる
というわけで本題として、LVYUAN BC-10で過放電で死亡したバッテリーの再生を試してみる。100D31Lとそれなりに大型のバッテリーだが、再生できるだろうか?

テスターで見てみると、このバッテリーの電圧はなんと4.3Vしか無い。終わりのバッテリーだ。ちなみにセルスター DRC-600で充電を試みると、バッテリー異常で充電できなかった。

LVYUAN BC-10を修復モードにしてバッテリーに接続。すると無事に修復モードでの充電がスタートした。
この時テスターで電圧を見てみると、約11V~14.6Vの電圧を1秒周期で流していた。しばらくしてからもう一度見てみたら、今度は約12.0V~12.6Vを行ったり来たり。修復モード終了間際には14.3V付近をウロウロしていた。さまざまなパターンのパルス充電でバッテリーのサルフェーションを除去しているらしい。
取扱説明書によれば修復モードはバッテリー容量や状態によって最大16時間程度かかるそうなのでこのまま1日放置…。

翌日に見てみると、ENDの文字がディスプレイに表示されていた。

電圧は12.4Vまで回復。すごい。
取扱説明書によれば「古いバッテリーを回復させるには、複数回の修復モード充電が必要です。」とあるので、この後もう一回修復モード充電を行った。『3回連続で修復モードを実行する』のような設定ができれば手間が少なくて良いのだが…。

というわけで2度の修復モードを試したら、なんと13.0Vまで復活。これは素晴らしい。死亡していたバッテリーが命を吹き替えした。
この後車に搭載してエンジンを掛けてみたが、問題なくエンジンを始動させることができた。ただしその後にSTDモードで充電をしたところ、パルス充電ステージからの充電となったため、もう1~2回は修復モードを試したほうが良かったのかもしれない。
そもそもバッテリーあがりを経験しているバッテリーは能力が落ちてしまうので、修復には限界がある。修復モードは、新しいバッテリーを買うまでの間の繋ぎ、あるいは今のバッテリーをなるべく長持ちさせるための対策としての使用が吉。
高性能で使いやすいバッテリー充電器
というわけで中華格安バッテリー充電器であるLVYUAN BC-10を使ってみた。実は手元に電圧が4~5V台まで下がった死亡バッテリーが3つあったので、全部に修復モードを試してみたのだが、どれも復活させることができた。基本的な充電機能も使いやすいし、充電状況の把握もしやすい。正直セルスターDRC-600よりはるかに高性能で使いやすい。

出力10Aなので大型バッテリーに使うには物足りなさがあるが、バイク~乗用車までならこれで十分。AGMやLiFePO4にも対応しているので幅広いバッテリーに使える。ただしジャンプスターター機能がないので、急なバッテリーあがりのときには対応できない点だけは注意が必要。
強いて言えば動作中の冷却ファンの音が若干大きいが、普通これを寝室やリビングで使う人はいないはずなので問題ない。とりあえず一個持っておくのにもオススメだし、古い充電器の買い替え先としても満足できると思う。


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