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【レビュー】SHOEI Z-8:風切り音ゼロ!圧倒的な快適性を持つフルフェイスヘルメット

5.0

バイク用のヘルメットはこれまでSHOEI Z-7を使っていた。実はバイクに乗り始めた頃から使っているので、外見はまだしも内装のスポンジや合皮がポロポロと崩れ始めてしまった。内装交換で対処する手もあるが、いい加減古いし型落ちなので買い替えることにした。なによりヘルメットは命に関わるので。

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SHOEI Z-8 MM93 COLLECTION TRACK

というわけで買い替えたのがSHOEI Z-7の後継機種であるZ-8。Z-7が結構軽くて快適で見た目もかっこよかったので、更に進化したというZ-8を選んだ。

単色も選べる中、ちょっと奮発してフルグラフィックモデルのMM93 COLLECTION TRACKを選択。MotoGPライダー マルク・マルケス選手のレプリカヘルメットで、シンプルで大胆なデザインが気に入った。このカラーは2023年8月末発売なので、購入時点(2023年9月)で最新モデル。

ちなみにカラーリングはガンメタリック塗装の上に朱色のデカールを貼って、その上からクリア塗装されているようだ。よく見るとデカールの端に段差があったりもするが、かなりきれいに作られている。

  • ヘルメット袋
  • ブレスガード
  • チンカーテン
  • シリコンオイル
  • 防曇シート(SHOEI DRYLENS 304)
  • 防曇シート用ピン
  • SHOEIロゴステッカー
  • 取扱説明書
  • 保証書

が付属。

SHOEIのスポーツモデルらしく後ろにシュッと伸びていくデザインで、風を受け流してくれそうでかっこいい。レース用のハイエンドモデルX-Fifteenになると更に後ろに伸びるような形になって、あそこまで行くとあまりデザイン的に好みから外れてしまうのでこれぐらいが好き。

ヘルメット下側はかなりタイトに絞り込まれている。これもあって、実際には普通サイズだがかなりコンパクトな印象を受ける

Z-8に使われるCWR-F2 シールドには端にボルテックスジェネレーターが装備されている。これで風切り音や空気抵抗が低減されるんだとか。

ヘルメットの内装は結構タイトで、適正サイズ(M・57cmサイズ)を選んだが、チンストラップを強めに開かないとヘルメットの脱着はキツめ。被っても頬が少し押される感覚が他のヘルメットより強い。でも頭周りの締め付け感があったりするわけではないので、Z-8は適正サイズでもこういう感じのようだ。

スポーツモデルらしくあご紐はDリング。個人的にはワンタッチタイプよりDリングのほうが使いやすくて好き。

シールドは今どきのセンターロック方式。真ん中のボタンを押すとロックが外れてシールドを開け締めできるようになる。操作感はカチッとしていて扱いやすい。

初見だと結構難しいのがCWR-F2シールドの脱着方法。Z-7の時と一見同じに見えて実は違うのでややこしい。

これはSHOEI公式で脱着方法のビデオがあるので、そちらを確認したほうが良い。

工具無しでシールドの脱着は可能なものの、少しだけコツが要るので、ツーリング先でスモークシールドからクリアに買えるときとか微妙に手間取りそう。何回か脱着を練習したら慣れてくるはず。

細かいこと言うとシールドベースがZ-7のときはカーボン調だったのに、Z-8になると樹脂成形色そのままなのがいまいちテンションが上がらない。X-Fifteenと同じカーボン調にしてほしかった…。

防曇シート(SHOEI DRYLENS 304)は以前のZ-7のときと同じく、両側のピンにはめるだけで簡単に装着できた。このへんの使い勝手の良さは素晴らしい。

重量はシールド・防曇シート込みで1,412g(Mサイズ)。防曇シート無しでの公称値が1,384gなのでほぼカタログスペック通りだ。

だいたいバイク用のヘルメットは1,500g以上、ツーリング系だと1,600gぐらいあるのが普通なので、それを考えるとZ-8はなかなか軽量なモデルだと言える。Z-7も約1400gだったので重量は変わってない。

実走レビュー:高い静粛性と快適性!風切り音がほとんどしないヘルメット

まず被ってみて気がつくのが視野の広さ。Z-7のときはピンロックシートの端が視界に入っていたのだが(意識しないと気にならないが)、Z-8では目を横に向けないと入らない。視界の範囲内には無駄なものが一つもなく、上下左右ともに非常にクリアな視界が確保されている。

重量バランスも最適で、変に上の方が重くて振られたり、下や後ろのほうが重かったりする感じも無い。頭をブンブン振ってみてもヘルメットだけが振られる感じが少ないので被り心地が良い。変に鼻先や口がヘルメットに近いということもなく、極めて自然な被り心地。このあたりはZ-7の良かったところがそのまま受け継がれている。

ただ先にも書いたように、頬が押される感じが他のヘルメットに比べて少し強め。インカムを使ってよく喋るような人は、少し喋りづらさを覚えるかもしれない。でもそこまで気にする感じでもない。

で、実際に走ってみるとZ-8の凄さにビビる。なんていったって風切り音がほとんどしないのだ。

単に遮音性が高いということではない。普通にバイクのエンジン音はしっかり聞こえるし、周りの環境音もちゃんと聞こえる。試してみたが遮音性に関して言えば他のヘルメットと特に変わりがない。

ただ走っていると風切り音はほとんどゼロ。時折斜めや横からの風でピューッという音がするが、真正面からの風を受けている限りは、あの耳障りな高音は全くと言ってよいほど聞こえてこない。仮に音がしないバイクで走っていたら本当に無音なんじゃないかと思えるぐらい静かで、これが感動的なほどに快適。

Z-7もまあまあ快適だったはずだがZ-8はそれを大幅に上回る。無駄な音が無く、必要な音だけがしっかりと耳に入ってくる。これだけでZ-8を買った価値があったと思えるほど。

またベンチレーションも快適。シェイクダウンした日は気温が低かったこともあり、最初はベンチレーションを開けていると少し寒さを覚えるほど通気性が良かった。

走りながらベンチレーションを閉めたのだが、この蓋も開閉も大型化していることから操作が簡単で確実。フロントのベンチレーションを閉めると寒さは無くなったが、後方の排気システムは常時開放されているので空気がこもった感じもない。

またチンカーテンだけ装着して走っていたこともあって、顎下からの巻き込み風も感じられない。上体を起こして走っていても、まるでフルカウルの中にいるような快適さと安心感がある。

Z-7の良いところはそのまま快適性がレベルアップ

Z-8はSHOEIの中ではあくまでスポーツモデルで、快適なツーリング用ヘルメットはGT-Air IIが担っている。しかしZ-8は明らかに快適で、これを丸一日被っていても特に苦になることはないだろうと思えるほど。Z-7の被り心地や軽さはそのままに、快適性が一気にレベルアップしたのがZ-8だと言えるだろう。

強いて言うならセンターロックのバイザーは慣れるまで少し手間取るなってぐらい。慣れてしまえば割とスムーズに開閉できるので、信号待ちのたびにバイザーを開けたいタイプの人でもそこまで気にならないと思う。

問題があるとすればその値段だろう。メーカー希望小売価格で税込71,500円(単色モデルは58,300円)は正直高い。こんなの5年とかで買い替えられない。でもその値段を出しただけの価値は、走り出してすぐに気付かされてしまった…。

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