「夏場のバイクって涼しそうだよね」
な~んてバイクに乗ったことのない人は言うけども、実際はそのイメージと全く逆で、夏場のバイクはかなり暑い。そもそも外気温が暑いのだから、風を受けて走ったところでそこまで涼しくない。できれば半袖Tシャツに短パンサンダルという超ラフな格好でバイクにまたがりたいところではあるものの、それじゃあもしコケたときに死あるのみなのと、結局直射日光をガンガンに浴びるためしんどい。というわけでプロテクター入りの涼しいジャケットが欲しい。
夏用のジャケットは往々にしてダサい
というわけでジャケットを探してみる。条件は以下の通り。
- フルメッシュジャケット
- 肩・肘・胸・脊髄プロテクター入り
- シンプルなデザイン
- 色は黒系以外(黒だと暑いため)
- 値段は1万円前後
値段の制約が大きいのと、バイク用ジャケットはなぜか黒系が多いので自ずと選択肢が絞られていくが、そうするとデザイン性に欠ける、一目見た瞬間に「バイク用ジャケットだな」と思ってしまうようなものばかりになってしまう。う~ん、あんまりカッコよくないなぁ…。どうしようかなぁ…。
と悩んでいた時に、ふと思った。
夏にジャケット来てる時点でそもそもダサいのでは?
その発想に至ったとたんに道は開けた。そうだ、どうせバイクから一歩離れた瞬間にダサくなるんだから、別にダサくてもいいじゃないか、と。その開き直りをもとに最終的には値段で選んだジャケットがこちら。
コミネ JK-119 フルメッシュジャケット-シン
コミネのJK-119。結局値段で選ぶとコミネになるよね~。ナイロン製のフルメッシュジャケットで、ジャージ風の2本ラインが腕部分に通っているのが特徴的。あんまりかっこいいとは言いずらいが、前述のとおり夏場にジャケットを着ている時点でかっこいい必要がないのだ!カラーバリエーションは
- ブラック
- ネイビー
- シルバー
の3色があったのでシルバーを、そしてサイズはLをチョイス。ちなみに僕の体系は身長170cm、体重70kg(ダイエット中)。
ウィンタージャケットのJK-589は中に着込むことを考えてXLを選んだが、夏場はたくさん着込むことはないのでLでも行けるはず。痩せる予定だし大丈夫。
シルバー…?
で、実際に届いたのがこれ。商品説明写真だとかなり白っぽく見えたけども、実際はシルバーっていうよりもグレーに近い色合い。でも生地は光沢があるので光りの挿し具合によってはシルバーっぽく見えることもある。ナイロンの生地はかなり強靭に編み込まれているためコケたときにも簡単に破れそうな感触はなく、またツルツルしているので衝撃をうまく受け流してくれそう。
背中側にはKOMINEのロゴがそこそこのサイズ感で主張してる。こういうの無いほうが嬉しいんだけどな…とは思うものの、ロゴは反射素材になっているので夜間の安全性も確保されている。
フルメッシュジャケットなので、プロテクター部分やポケットがある部分以外の面は全てワンレイヤーで薄手。とはいってもプロテクターがあるので重量感はある。
薄手のメッシュジャケットゆえにワンレイヤー部分は少し下の色が透ける。派手な色のシャツを着ると変な色に見えるかも。
機能性はぼちぼち
ポケットは前に3か所用意されている。
ファスナーは全て金属製で頑丈な印象。ゴム製の大きめな取っ手が付いているのでグローブを装着した状態でも開閉可能。
おなか周りの2か所は漫画の単行本が入る程度のサイズなので一般的な財布やスマートフォンを入れるには十分。
胸ポケットの深さは13cm。今どきの少し大きめのスマートフォン(写真はGALAXY S8)だと収まりきらなかった。
気になるとすればフロントチャックも金属製で露出しているので、燃料タンクに当たって塗装を傷つけそう。このジャケットを着る際はバイクにタンクパッドを装着したほうがよさそう。
腰と腕部分にサイズ調整用のベルトを装備。
腕の先はマチがかなり広く取られているのでサイズ調整が容易なうえ、プロテクターの取り出しやすさもいい。
ハードプロテクターを装備
その条件で買ったのだから当然なのだけども、プロテクターは肩・肘・胸・脊髄が標準装備。全てJK-589と共有で、脊髄以外はハードプロテクター。脊髄パッドは穴が細かく空いているので蒸れずらい。
肘プロテクターは高さを二段階に調整できるようにマジックテープが用意されている。でも下段だといまいちしっかり固定できてる感じがしない…。ちなみに僕は上段でばっちりだった。
ジャケットの生地が薄手なのも相まって肩パッドだけ着る時にクルンとひっくり返りがち。ちょっと気にして着る必要がある。
着てみる
撮影日は寒かったので内側に長袖のフリースを着た状態で着てみた。見た目はジャージ風だけども、さすがにプロテクター入りなので着ると肩や胸回りがごつい。サイズ的には悪くない感じ。でもやっぱりバイクようなだけあって裾が短い。フリースを着た状態でも動きやすさに問題はないので、メッシュジャケットだけども寒くなってきたら内側にウインドブレーカーを着ることで春や秋にも行けそうな感じ。
背面は大体予想がついてたけども、脊髄パッドがはっきりくっきり浮き出ててとてもかっこいいとは言えない。自分じゃ見えないから気にしないのが吉。着る時に襟がひっくり返りやすいのでそこは注意が必要。背中側の裾はバイクにまたがって前傾姿勢になったら丁度ズボンのベルト部分に掛かってるぐらいなので、僕としてはもう少し長いほうが嬉しかった。
半袖の上に着るのは微妙かもしれない
半袖Tシャツの上から着ると、ナイロンメッシュの生地がチクチクするというほどではないが、正直衣類としてあんまり快適な感触ではない。また肌との抵抗感が若干あり、多分この状態でコケてアスファルトと擦れると、ジャケットが肌を切り裂きそうな感じがある。日焼けの問題もあるので、このジャケットを着る時は長袖シャツを内側に着るか、あるいは薄手の上着を着たほうがむしろ快適にライディングできるかも。
25℃の夏日に走ってみた
まだ4月も前半だというのに、25℃ぐらいまで気温が上昇した日の昼間にJK-119を着て走ってみた。内側には長袖のシャツを一枚着ただけという軽装だったが、さすがにプロテクター入りジャケットなので着るだけで結構安心感があった。
いざ走り出すと、20km/hも出さないうちにガンガン風が入ってきた。特に腕やおなか周り、そしてプロテクターがあるが胸部にも若干弱いけども風が入ってきている感覚がある。風を直で受けているほどではなく、ジャケットを通すことで柔らかくなった風が入ってくるので不快感はない。僕はフルメッシュジャケットは初体験だったのだけども、これはむちゃくちゃ涼しい。
一方で気になるのは背中の風の抜けが悪いこと。特に街中しか走らずあまりスピードが出なかったということもあるのだろうけども、思っていたよりも背中に風が通って行かない。丁度軽めのリュックサックを背負っているときのような感覚だ。バイクに乗ると前傾姿勢になり背中側が張るので仕方がないのかもしれないが。とはいってもジャケットはメッシュだし、脊髄パッドは細かく穴が開いているのでそこまで蒸れることはないだろう。ちょっと起き上がって背中側の張りを緩めれば一気に風が通っていくので大した問題でもない。
ついでに肩プロテクターの体にピタッと沿わない感じも少し気にはなるが、これは走っているうちに気にならなくなった。あと、やはり基本的に1レイヤーのジャケットなので日差しによる暖かさをジャケット越しにかなり感じる。この点は色をシルバーにして正解だった。ブラックだとかなり暑いと思われる。
もちろん信号待ちなどで止まっているときは風が通らないので涼しさは全くない。ただこれはどのジャケットでも、というか半袖Tシャツを着ていてもそうなので、停止中の涼しさを期待するのは間違っている。
安くて涼しくて安心のメッシュジャケット
というわけでこのコミネ JK-119 フルメッシュジャケット-シンは、夏場のバイクライディングをとても快適にしてくれるジャケットだ。頑丈な肘・肩・胸部・脊髄プロテクターを装備し、生地もしっかりしているので万が一の事故でも怪我を最小限に防いでくれるこのジャケットが、1万円を切る手軽な値段で購入可能なのはとてもうれしい。デザインもバイク用ジャケットとしてはシンプルで、このまま店に入るのは躊躇はするものの極端に変なわけでもない。夏用のジャケットが欲しいけどあまりお金はかけたくない、という人にオススメのジャケットだ。
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