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ヤフオクの激安スチール定盤でアライメントを調整してみた

僕はイケアフォーミュラのMAPLE A-ONE GAGEを使ってちょこちょこ自宅で車のアライメントを調整しているのだが、自宅でやる以上どうしても発生する問題があった。

地面の水平が取れない。

ぱっと見そこそこ水平に見えるコンクリートのガレージでも実は結構凸凹しているもので、トー角はまだしもキャンバー角は全くまともに合わせられない。MAPLE A-ONE GAGEのキャンバーは重力を使って計測するので、ゲージ上で左右同じキャンバー角になったとしても、地面自体が傾いていたら左右差が生じてしまう。

キャンバーの左右差があると思いの外車が横に流れたりするもので、まっすぐ走らなくて困る。真っ直ぐ走るように調整しては走り、調整しては走りを繰り返すのも悪くないが、そうなるとなんのためにアライメントゲージを持っているのかよくわからなくなってしまう。

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ヤフオクで売られてる激安定盤を買ってみた

地面の水平を取るために定盤を買おう。定盤と言っても、今回の場合はタイヤが設置する部分の高さを揃えることのできる調整式の台のことを指す。

ちなみにレース屋さんなどがサーキットのパドックで使っているようなアルミの定盤は20万円ぐらいして、そんなものは当然買えない。木材などで自作するのも悪くないが、精度とか強度とか考え始めるとめんどくさい。

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そんな中、ヤフオクで格安定盤を出品している人がいることを発見。サイズによって値段は様々だがスチール製のものが多く、最安値は送料込みで約3万円とまぁまぁ手が出せる値段。材料費とか加工の手間賃を考えれば妥当というかむしろ安いぐらいなので、これでアライメントを取ってみよう。

そして届いたのがこれ。小さい箱ながら重量25kgとかなり重たい。

その重さのほとんどがこのスチール製の天板。無塗装のスチールが錆びないように4枚重ねてラップで包まれていたのだが、密度が高すぎてこの世の憎しみをすべて込めたんじゃないかと思うぐらい重い。怪我しないように気をつけて梱包をほどいた。

組み立ては付属の脚をねじ込むだけ。誰でも簡単にできるはず。この状態になると1個あたり約5.8kgと持ち運びに支障ない重さになるので、簡単に移動できるようになる。

天板のサイズは310mm×250mm×12mm。脚をつけたときの最大の高さ(脚のねじ込みをギリギリまで浅くした時)は140mmと、車高の低い車のアライメントを調整するならもう少し欲しい感じの高さ。

定盤の水平出し

さて、アライメントを取るために、まずは定盤の水平出しを行おう。

アライメントを調整できる場所にまず車を置く。

できる限り車がまっすぐ出入りできる場所で作業する。

4本のタイヤの位置をテープなどでマーキング。ホイールのセンターの位置がわかるように適当にペンなどでセンターの目印を付けておく。

目印ができたら一度車をどける。

車をどけたら、マーキングした場所に定盤を設置。

今回水平を出すためには、Amazonで一番安く売られているFIRECORE EP-3Rという約6000円で買える激安レーザー墨出器を使った。

色々と安いなりにちゃちな部分があったり光量が低かったりもするが、精度は結構しっかりしている。また屋外でも屋根がある場所ならそこそこレーザー光を視認できるので、アライメント用途でも結構使えるように思う。AC電源でも単三電池でも駆動するので便利。

まずレーザーで高さ(レベル)を合わせる。レーザー光が当たる面の脚2本の高さを調整すればOK。

一番最初に地面が一番高いところに設置した定盤を調整し、そこから他の定盤の高さを合わせるのがオススメ。

高さが出たら、水準器を天板に置いて、3本目の脚を調整して水平を出す。写真ではちょうどいい水準器が手元になかったので適当なものを使っているが、もうちょっとちゃんとしたものを使ったほうが良い。

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4箇所の水平が取れたら、ペンを使って脚と地面をマーキング。各3本の脚の位置がしっかりわかるようにマーキングしておく。

マーキングできたら、一度定盤をどける。

車を当初の位置に戻し、ジャッキアップする。

車を元の位置にきっちり戻すのが一番難しい。定盤のサイズ的に前後左右ズレへの許容範囲が狭いので、できる限り車を元の位置に戻す。

ジャッキアップしたら、マーキングした場所に定盤を戻し、その上にタイヤが来ることを確認しながらジャッキを下ろす。

タイヤと定盤の間にはビニール袋や二枚に切り分けたクリアファイルを挟む。そうすると適度に滑りが効いて、アライメント調整がやりやすくなる。

タイヤが全て定盤の上に上がったら、一瞬だけサイドブレーキを解除して突っ張りをなくしたり、軽く車を揺すってサスペンションを馴染ませれば準備完了。

アライメント調整中は万が一車が落ちてきても挟まれないように、ジャッキやタイヤなどを車と地面の間に入れておく。

定盤上でアライメント調整してみて感じたこと

実際にこのヤフオク格安定盤を使ってアライメント調整をしてみた。結論から言うときちっとアライメント調整できて最高!なのだが、少し気になるポイントもあった。

  • とにかく値段が安い。コスパ最強
  • きっちり水平が出せて、問題なくアライメント調整ができる
  • 定盤一つの重量が約6kgと軽量で持ち手もあるので、持ち運びしやすい
  • 高さ調整が容易で、安定感も高い
  • 工夫次第だが、天板が気持ち小さいので幅広タイヤで使うには不安が残る
  • 車高の低い車のアライメント調整するには高さが少し低い
  • 水平を取ると脚のネジが天板を飛び出してしまう場合がある
  • 保管時は場所を取る

良かった点:きっちりと水平が出せる

まず良かった点だが、地面の水平を出せるので、より正確にアライメントを計測できるようになったこと。安価な定盤だが水平はきっちり出せるし、作業性も良く、当然だが車を乗せても歪んだりしないので安定感も高い。

1個あたり約6kgと軽量なので持ち運びも簡単。昔レース屋さんが使っているアルミの定盤を触らせてもらったことがあるのだが、大きい分結構重くて大変だなと感じたことを思えば、この小型軽量さは利便性が高い。

なによりしっかり水平出しした定盤でアライメントを調整すると、よりしっかり走る車が作れるようになる。これまで左右のキャンバーがどうしても正確には合わなかったので若干横流れしてしまうことがあったのだが、定盤上で調整した後は一発でしっかり真っ直ぐ走るようになった。

イマイチな点:高さ調整幅

反面イマイチなところとしては天板が少し小さいこと。今回乗せたRX-8は255/40R17サイズのタイヤを履いているのだが、横幅は結構ギリギリ乗ってる感じになる。ただキャンバーをつけている分天板にタイヤが直接乗るのは内側だけということもあって、実際はそこまで問題ない。キャンバーゼロだと205サイズぐらいまでかなぁと言うようなイメージ。

また高さ的にも結構ギリギリで、手は余裕で入るけど工具を回すにはもう少し余裕が欲しい。ノーマル車高だとそこまで問題ないはずだが、少し車高を下げているとかなりギリギリなイメージ。

個人的に思った最大の問題は、地面の高さによってはボルトが天板から飛び出してしまうこと。天板の厚みがそもそも12mmしかなく、底に直接ネジが切られているので、ボルトが飛び出さない範囲での調整幅はせいぜい10mmしか無い(※わずかしかネジがかかっていない状態は非常に危ない)。一見水平に見える我が家のガレージでも意外と3~4cmぐらいの高低差があったりするので、どうしてもネジが飛び出してしまう天板が出てきてしまう。

となるとネジがタイヤに当たらないように定盤の位置をずらすなどの工夫が必要になってきて大変だし、なにより使い勝手が悪い。これについては今後工夫していく予定。

自宅アライメント調整の味方

というわけでヤフオクで売られている格安定盤を導入してアライメントを調整してみた。安いだけあって文句なしに最高!と言えるようなものではなかったが、わかってる人が工夫すればしっかり使える一品だった。なんてったって安いし、(比較的)軽くて持ち運びも簡単なのが嬉しい。ちなみに防錆処理はされていないので、塗装などの後処理も必要。

そもそも自宅でアライメント調整をしようなんて人は酔狂なのだから、これで良いと思う。タイヤサイズによっては更に大きいサイズのほうが使いやすいことは間違いないので、不安な人はもう一回り大きいものを選ぶと幸せになれるのではないだろうか。

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