ロータリーエンジンは点火系が命!プラグの寿命は短いから1万km走ったら交換しよう!
なんて話はネット上に山ほど転がっている。いやでも待て、そもそも点火系が命じゃないエンジンなんてディーゼルしかないし、イリジウムプラグが基本の現代で、プラグが1万kmしか持たないなんてことはサーキット専用車でもない限りありえない。もっと長持ちしなきゃおかしいだろう?
RX-8メーカー指定の交換時期は6万キロ
いわゆる高寿命タイプのイリジウムプラグ(※ノーマルプラグと寿命の変わらないイリジウムプラグも存在する)の場合、レシプロでの使用を前提にすると10万kmの走行で交換が推奨されている。実際には車の使われ方によって条件が変わっていくので、詳しくは以下のリンクを参照してほしい。
1気筒の4stレシプロエンジンは、クランクシャフトが2回転する間に吸気・圧縮・爆発・排気の工程が行われ、爆発のタイミングでプラグが点火する。
対してロータリーエンジンの場合は、ローターが1回転する間にエキセントリックシャフト(≒クランクシャフト)が3回転し、この間プラグによる点火も3回行われる。要するにエキセントリックシャフト1回転に対してプラグ点火が1回ある形だ。
実際にはミッションやデフのギア比、タイヤの外径などによって条件は変わっていくが、単純に考えてロータリーエンジンのプラグはレシプロのそれに比べて2倍働いている、と言える。
これゆえRX-8の場合、メーカー指定でプラグ交換時期はレシプロの約半分となる6万kmが指定されている。理屈から言っても割と納得の数値だ。
純正プラグを約7万km使ってみた
机上の空論より現実としてどうなのか?ということで僕はプラグ交換を行わずに、NGK製の純正プラグを街乗りから高速道路からサーキットまでガンガン使ってみた。前回交換したときの記録が残っていないので正確には不明だが、7万km以上は使っているはず。
結論:普通に走る
最初に結論から言っておくと、7万km使い続けたプラグでも全く問題なく普通に走れる。さすがに総走行距離14万km超をエンジンオーバーホール無しで走り続けている車両なのでエンジンの掛かりは良くないが、普通に走っている分にはパワーもトルクも問題なし。
ただ総走行距離13万kmを超えた辺りから若干ながら燃費が悪化したような印象があり、暖気後のアイドリングでは時折「ポンポン」と失火しているような音がしていた。
プラグははっきりわかるレベルで消耗していた
外したプラグがこちら。カーボンの付着具合は、ロータリーエンジンだし、最近は街乗りばかりだったのでこんなものでしょうという感じ。
ただやはりリーディング側のプラグは、中心電極は丸くなっているし、接地電極は消耗して尖ってしまっているので、とっくに消耗限界は迎えている様子。
トレーディング側は構造上補助的な着火をするだけなので摩耗は少ないが、中心電極は若干丸くなってきているように見える。
ちなみに:DENSO製は寿命が短い
RX-8用のプラグはNGK製(純正)とDENSO製から選べるが、DENSO製はレーシングプラグなので寿命が短い。また熱価も高いので、サーキットオンリーなユーザー以外は使わない方が吉。詳しくは以下を参照。
5~6万kmほどで交換するのがいいと思う
というわけで僕の感想としては、
「さすがに1万km毎の交換はやりすぎだが、5~6万kmほどで交換するのがいいのではないか」
という感じ。7万km使っても問題なく走るのだが、外したプラグは消耗していたので、これ以上はさすがに良くない。
もちろんこれは使用状況によって大きく変わる。サーキットを走る頻度が高いユーザーは、もう少し早めの交換の方がパフォーマンスを維持できるだろう。
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