Project μ G-four 335:ドライ沸点335℃&カッチリ系タッチのサーキットスペックブレーキフルード【レビュー】

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サーキットユーザーであっても、基本的にブレーキフルードなんてものは通常のDOT4で全く問題ないと僕は考えている。市販車だとエンジンもタイヤもブレーキも(そして人間も)熱が上がってタレてしまうので、適時休憩を挟めば、よほどのハイパワー&超重量級マシンでもない限りDOT4で問題なんて起きないはず。熱が入りすぎてペダルタッチが柔らかくなってきたら即フルードを交換してしまえばよいのだ。

…とはいっても「この周はベストが出る!」ってタイミングでペダルタッチに不安を覚えたくは無いし、できれば限られた時間の中でたくさん楽しめるような車であってほしい。少なくともブレーキ周りについては安心感を持ってサーキットを走りたい。特に国際サーキットのような大きいサーキットでは、ブレーキトラブルは致命傷に繋がる。ベーパーロック現象で事故を起こした、なんてことだけは絶対に避けねばならない。

Project μ G-four 335

というわけで僕が今回選んだブレーキフルードが、Project μ G-four 335。正直各社が出しているサーキット用のブレーキフルードならどれでもいいとは思うのだが、過去にDIXCEL DOT5.1やWeds Sport REVFLUIDなどを使ったことがあるので、使ったことの無い銘柄から選んでみた。

G-four 335のスペック

G-four 335はいわゆるDOT規格品ではないので、スペックはメーカーが公表している範囲でしか分からない。それによると、

  • ドライ沸点:335℃
  • ウエット沸点:221℃
  • 色:グリーン
  • 成分:グリコール系(シリコン・鉱物系へは不適合)

とある。またパッケージによると、

各種ラバーや金属に対する耐攻撃性、酸化防止等の強化も同時に行いました。異次元の高沸点を一般のDOT4と同レベルのメンテナンス性でご使用いただけます。

とあるので、通常のDOT規格品とさほど変わらないメンテナンス(=通常使用で2年を目安に交換)でOKらしい。

…ただこのブレーキフルード、皮膚につくと少しピリピリするので、少し酸性になっているような気がする(DOT規格品は中性~アルカリ性)。pHは調べてないので不明。

300℃付近を超えるとフルード色が緑から無色透明へと変化する。フルード交換の時に便利だ。

明らかに粘度が高い

フルードをサブタンクに注いだ時に気づいたのだが、このフルードは明らかに粘度が高い。少しドロッとした感じがあり、もしかすると特に冬場はABSの動作不良を起こすかもしれない。雪が降るような土地での冬場の使用は避けた方がいいように思う。僕が住んでいる場所ではめったに雪が降らないことと、降った場合は車を動かさないので問題ない。

ブレーキのタッチが明らかにカッチリする

Project μ G-four 335を実際に使ってみてまず最初に気づくのは、ブレーキのタッチが明らかにカッチリすること。今まで特にエンジンをかけていない状態でブレーキを奥まで踏み込むと、踏み切れる直前で少しグニャグニャっとした感触があったのだが、それがかなり軽減された。結果的にブレーキの踏みしろが少し少なくなったように感じる。

これは実際に走ってみてもわかる。ブレーキペダルとブレーキピストンが完全に直結しているように動くので、これまで通りにブレーキを踏むと強く踏み過ぎてカックンブレーキ気味になってしまった。もちろん踏み込みだけでなくリリースでもペダルとピストンの連動性が良いので、リリース時のコントロール性も高まった(ただしこちらは片押しキャリパーの場合パッドの剥がれやすさにも影響される)。

サーキットでもフィーリングが変わらない

ミニサーキットや国際サーキットでも使ってみたが、終始安定した性能を発揮してくれた。通常のDOT4フルードだと、連続周回をこなしていくと徐々にペダルタッチが柔らかくなってしまうことが多いが、Project μ G-four 335ではそのような変化はほとんど感じられなかった。フィーリングに変化がないので、安心してブレーキを踏みつけることができた。

実際にはエンジンや他のブレーキ周りの関係で、市販車でサーキットを連続周回し続けるというのは少々難しい部分があるが、このブレーキフルードは懸念材料を少なくとも一つは解決してくれる。

サーキットユーザーでカッチリ系のフィーリングが欲しい人にオススメ

個人的にこの緑色のフルード色は好みではないのだが、ブレーキタッチのフィーリングは非常に好印象。カチッとした踏み心地とリリースの追従性でブレーキコントロールがとてもしやすくなった。連続周回で熱が入ってもフルードが柔らかくなりづらいので安心して走ることができる。これでメーカーの謳う「DOT規格品と同程度のメンテナンス性」があるならばとても嬉しい。願わくばコストが下がってほしいが、安心には繋がっているし、交換頻度が下がるなら悪くはない。

ただ先述の通り、粘度の高さについては気になる。特に近年の複雑化するABSシステムでは低粘度のブレーキフルードが求められているので、気温の低い時期や地域でこのフルードを使用することは避けた方がいいかもしれない。