車いじりは好きなのだけど、ホイールの脱着はとにかく億劫で仕方がない。外すのはまだいい。一通り作業を終えて少し疲れているところに、重たいホイールを取り付けて、十字レンチでせっせとホイールナットを締め付けるという行動はとにかくめんどくさい。
この作業をどうにかして楽にしたい。そう前々から思っていたので、ついにインパクトレンチを買ってきた。
高儀 EARTH MAN infini-Link IW-180LiB
というわけで購入したのが、高儀 EARTH MAN infini-Link IW-180LiB。工作機械の高儀(TAKAGI)といえば、なんと創業が慶応二年(西暦1866年)という老舗中の老舗工作機メーカー。刃物で有名な新潟県三条市に構え、優れた道具を比較的安価に販売している。
マキタやHiKOKI(旧日立)、RYOBIのインパクトがいいってのは分かるのだけども、高くて買えない!そんな僕のためにあるようなメーカー、それが高儀。
箱の中には、
- インパクトレンチ本体
- 18V-3.0Ahバッテリー
- バッテリー充電器
- 19mmソケット
- 21mmソケット
- 取扱説明書
- Oリング、ソケットピン
が入っていた。
スペック
- モーター電圧:DC18V
- 無負荷回転数:約0~2800min-1(無段変速)
- 打撃数:約0~4200回/分
- 最大トルク:約200N・m
- 能力:普通ボルト:M10~M16、高力ボルト:M8~M14
- ソケット差込口:12.7mm角
- 本体サイズ:約長さ160×幅95×高さ240(mm)
- 質量:約1.66kg(バッテリーパック含む)
実測値:本体1041g、バッテリーパック633g - 電池種類:リチウムイオン電池
- 電圧:18V
- 容量:3.0Ah
- 出力電圧:DC5V
DC18Vモーターで200N・mのトルク
IW-180LiBはDC18Vモーターを搭載したインパクトレンチ。残念なポイントとし今どき主流のブラシレスモーターではないという点があげられるが、最大トルクは約200N・mと、ホイールナットの脱着であれば十二分な性能を持っている。最初から3.0Ahの大容量バッテリーが付属するのも嬉しい。
色が白いので、作業すればいとも簡単に汚れてしまうのは少し気になるし、デザイン的にもさほどかっこいいとは言い難い。しかし実測1674gの重量はインパクトレンチとしては軽量で、グリップは握りやすく操作系も良好。作業性は高い。
ソケット差込口は12.7mm角(1/2インチ)。回転方向は切替可能で、スイッチ引き金を握るとしばらくの間LEDランプが点灯して手元を照らす。スイッチ引き金の握り具合によって回転数を数段階で調整できる。
18V-3.0Ahのバッテリーは後部ボタンを押すことで電池残量の確認が可能。USBの出力端子も持っているので、スマートフォンなどの充電もできる。
やたらと大きい専用の充電器にバッテリーを接続すれば充電が開始される。充電時間は約90分。
付属のソケットは保護カバー付きでホイールを傷つけないようになっている。ソケットの長さは約79mm。僕は17mmのソケットが必要だったので、Koken製のホイールナット用インパクトソケットを買い足した。こちらの方が長さ110mmと30mmほど長いので使い勝手がいい。
乗用車数台分のホイールナット脱着は余裕
実際に110N・mで締め付けている乗用車のホイールナットを脱着してみた。スイッチを握るとガガガガガとハンマーが鳴る音がしたのち、一気にナットが緩む。ブレーキがかかっていない状態のフロントホイールでも余裕で外せた。
取り付けも全てのナットをホイールに接触させるまで締めたのち、軽くガガガと締め付け、最後にトルクレンチで適正トルクまで締め付ければOK。今まで十字レンチで頑張ってたのはいったい何だったんだろうと思うぐらいのあっけなさだ。一台分のホイール脱着を行っても電池は余裕だったので、数台分ぐらいの交換作業は電池を充電することなく行えるのではないだろうか。
一つ難点を上げるとすれば、事前の締め付けトルクの調整ができない点。外す時は問題ないが、締め付ける時のオーバートルクを予防する方法が無いので、インパクトドライバーを全く使ったことがない人は少し注意が必要になるだろう。
IW-180LiBの良い点
- 圧倒的に安価
- 老舗国産メーカーの信頼性
- 18Vのハイパワー
- 200N・mのトルク
- 3.0Ahの大容量バッテリー
- 軽量で手に収まりのいいサイズ
- ホイールナットの脱着程度であれば余裕
IW-180LiBの気になる点
- 色が白なのですぐに汚れる
- 17mmソケットが付属していない
- 今どきDCモーター
- 充電器がやたらデカい
- 締め付けトルクの調整ができない
プライベーターにピッタリなインパクトレンチ
というわけで、この高儀 EARTH MAN infini-Link IW-180LiBは、僕のようなたまに車いじりをやったり、サーキットでタイヤを履き替えるようなプライベーターにちょうどいいインパクトレンチだと思う。中華製の有象無象とは違い、国産メーカーの製品なので、電池などの安全性もある程度確保されているはず。プロユースとしてはパワーや耐久性への不満が出てくるだろうが、約1.5万円で普通に使えるインパクトレンチはありがたい。ホイールを脱着することへのめんどくささから解放され、作業時間の短縮にもなる一品だった。
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