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ボルトが折れてネジ穴が死んだので、中華リコイルキットで修正する

Daytona675を整備していたら、明らかに手応えが怪しいボルトがあった。面倒事は避けたいのでゆっくり慎重にボルトを外していたのだが、

パキン!

と悲しい音が鳴ったと同時に、

ボルトが破断してしまった。

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折れたボルトを救出する(失敗)

折れたボルトが刺さっていたのは幸いなことにステアリングダンパーを固定しているブラケットだったので、まずはブラケットを外して状態を確認。

アルミのブラケットにステンレスっぽいボルトが刺さっていて、どうも前オーナーの手によって若干斜めに差し込まれていた模様。そうなるとネジ穴も結構怪しいが、まずは折れたボルトの救出を試みる。

飛び出ているネジを掴んで回そうとしても全くびくともしないので、溝を切ってマイナスドライバーとレンチを駆使して回してみる。

が、全く刃が立たず、ボルトが更に折れてマイナスの溝が効かない状態になってしまった。

しょうがないのでボルトをブラケットの面までカットし、中心にドリルで穴を開ける。徐々にドリルの穴を大きくしていき、ボルトが外れないか試みる。

どうしても適当な万力と手持ちの電動ドリルでは中心に穴を開けるのが難しかったが、最終的には折れたネジが真っ二つに裂けたような状態で取り出すことに成功。元のネジ穴は完全に死亡した。

中華リコイルキットでネジ穴を修復する

ネジ穴が死んでしまったので、補修するために中華リコイルキットを買ってみた。

買ったのはM6用のリコイルキット。ケースなどは無かったがその分安く、Amazonで1300円ぐらいだった。ドリルからタップまで必要なものは入っているが、タップハンドルなどは付属していないので、その辺の道具を持っている人向けの商品らしい。説明書すら無かった。

リコイルの仕組み

リコイルのやり方を簡単に説明すると、

  1. 元穴より少し大きいドリルで下穴を作る
  2. タップを切ってリコイルが入るネジ穴を作る
  3. リコイルを専用工具でねじ込む
  4. リコイルの先端を専用工具で殴って折る
  5. 新しいネジ穴の完成

という流れ。

リコイルインサート

新しいネジ穴になるリコイルインサートは、その名の通り金属をぐるぐる巻いたコイルになっている。先端だけ中央に向かって曲がっている部分(タング)があるので、これを使って切り直したネジ穴にねじ込める。先端は簡単に折れるように一箇所だけ切り欠きがある。

ネジ穴の中に小さいネジ穴を入れたら、このリコイルインサートが勝手にぐるぐる回ってしまわないのか心配になるが、そうはならない。

なぜなら切り直すタップに対してリコイルのほうが若干ネジピッチが狭くなっているから。しかも切り直すタップよりリコイルのほうが若干大きい。

リコイルを入れるときにピッチに併せてコイルが伸び、さらに絞り込まれながら挿入されることで、リコイル自身がネジ穴に固定されるようになっている。これ考えた人頭いい。

ネジ穴の補修

実際に補修をしてみる。

まずはだめになったネジ穴をドリルで拡張。M6のネジ穴を補修するのに使うドリルは6.2mmなので意外と余裕は少ない。

専用のタップを使ってリコイルが入るネジ穴を作る。

専用工具を使ってリコイルを挿入。強く押し付け過ぎるとコイルが伸びてうまくネジ穴に沿わない場合があるので、軽く押さえつける程度でコイルを入れる必要があった。

タップ開始位置から1/2~3/4ピッチ沈む程度のところまでリコイルを挿入するのがベスト。

専用工具をリコイルのタングに当てて、上から軽く殴ってタングを折る。

元のサイズと同じ新しいネジ穴ができた。

当然ボルトがスムーズに刺さる。

元サイズのまま締付強度アップ!

というわけで中華リコイルキットで補修してみた。元のネジ穴がアルミだったこともあってリコイルにより締付強度が格段に上がり(※鉄であってもリコイルすると締付強度が上がる)、ネジもスムーズに刺さるのが気持ちがいい。

作業もそう難しくないし、リコイルキットを買えば必要なものが確実に手に入るのが嬉しい。今後ネジ穴がだめになったりボルトを折ってしまっても安心して対処できそう。できればボルトは折りたくないが…。

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