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Amazonの激安オイルフィルターカッターで純正品と社外品のエレメントを切ってみた

4.5

オイルエレメント(オイルフィルター)は地味に捨てるのに困る物。自動車整備業を営む人であれば産業廃棄物として捨てるらしいが、金属とフィルター(紙)とエンジンオイルが混ざっていて処理代が高いらしい。一般家庭でもどこに分類されるのかよくわからないゴミだし、できれば分別してスッキリ捨てたい。

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Amazonの激安オイルフィルターカッター

というわけでAmazonで激安のオイルフィルターカッターを買ってみた。中華製なので中国通販サイトのほうが安く買えそうな気がするのだが、実際にはAliexpressでもほとんど価格が変わらないと言うか、むしろAmazonのほうが安かったりする。

ちなみに購入時の価格は約2100円。そこに5%オフのクーポンまで付いていた。

こんなものはただのパイプカッターと構造的には同じなので、そういうもので代用しようとも考えたのだが、値段的にもこっちのほうが安い。一瞬自作しようとも思ったが、材料を揃えて作る手間を考えると2000円払ったほうがずっと安い。しかも替刃が2つも付いてくる。

よく見ると各部の作りはチャチだし雑なのだが、機能的には必要十分。むしろアルミ製のベースにベアリングやネジ類までつけて2000円で販売できるのだから安い。

一点だけ、刃の部分はボルトナットの絶妙な締め込みによる調整が必要だった。届いた状態だと刃が上下にガタガタ動くので綺麗に切れる気がしない。いい具合に締め込んでガタツキをなくしつつ、それなりにスムーズに刃が回転するように調整しておけば、後は使うだけの状態になる。

オイルエレメントを切ってみる

実際にオイルエレメントを切ってみる。なお、このフィルターカッターは2-3/8インチから5インチ(≒60mm~127mm)のオイルフィルターに対応している。

切ろうとしたRX-8用のオイルエレメントは約68mmだったので、ベアリングの位置を内側に移してセット。刃を少しずつ押し当てながらエレメントをぐるぐる回していく。

エレメントを手でぐるぐる回すのはかなり面倒なので、できればフィルターレンチなどを使用して回すほうが楽。こうすると1分も経たずにスパッとカットすることができた。

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フィルターの状態にも寄るが、切れるとオイルがドバッと出てくるので注意が必要。漏らすとめんどくさい。

無事にオイルエレメントが分解できた。

激安品なのでどうだろうと思ったのだが、実際使ってみるとあっけないぐらい簡単にオイルエレメントをカットできる。これは良いかもしれない。

モノタロウ製オイルエレメントの中身

カットしたモノタロウ製のオイルエレメントの中身がこちら。

下側にあるゴムが逆止弁(アンチドレーン弁)になっていて、フィルターの中にリリーフバルブが内蔵されているシンプルな構造。右上のスプリングはフィルターを保持するサポートスプリング。

左を金属ゴミ、右を燃えるゴミに分類してみるとこんな感じ。紙のフィルターはうまく分解できなかったので千切れてバラバラになってしまった。ここまで分解できれば分別してゴミに捨てられるし、金属ゴミは金属として売れるので良い。ちなみに一番重たいのはフィルター底面の部分。

スズキ純正エレメントもカット

エブリイに装着されていたスズキ純正エレメントもカットしてみる。なお、このエレメントはあまりにも固く締められていたため取り外すときにフィルターがボコボコになってしまった。大きめのウォーターポンププライヤーで掴んで回したらどうにかカットすることができた。

スズキ純正エレメントはモノタロウと構造が異なり、まず逆止弁が無かった。逆止弁がないのでエレメントをカットしてもあまりオイルが出てこない。

サポートスプリングとリリーフバルブが一体になっていて、リリーフバルブ自体は流量を確保しやすそうな形状になっている。紙フィルター自体もしっかりしていて、モノタロウ製よりも見た目にコストが掛かっているように思える。逆止弁は無いけど…。

純正品か社外品か

社外品と純正品で構造が違うという発見は素直に面白かったが、それを見てどっちを使うべきか少し考えてみるのも良いのかもしれない。

参照:https://www.engineoilya.com/knowledge/faq/oil-filter/

リリーフバルブはフィルター前後の圧力差が一定以上(およそ100~160kPaだとか)になったときに開く。具体的にはオイルが低温のときと、エンジンが高回転になったときと、フィルターが目詰まりしたときに開きがちだとか。

リリーフバルブが開いている状況で考えれば、リリーフバルブの流量が多いほうが油圧が確保できるのでエンジンは壊れにくい。サーキット走行時は恐らくリリーフバルブが開きやすい状況のため、純正のほうが油圧に関しては安心感はある。ただ逆に社外品はフィルターが少ない分だけフィルター前後の圧力差が出づらい=リリーフバルブが開きづらいので、フィルターを通したオイルがエンジン内に潤滑して、それはそれで安心な気もする。

純正品は1000円強はするのに対して、モノタロウ製は物にもよるが300~400円と半額以下。2回に1回純正エレメントを変えるより毎回モノタロウ製を変えるほうが安い点や、過去何年もモノタロウ製オイルフィルターでサーキット走行してきてなんの問題も起こったことが無いことなどを考えると…

個人的には社外品をこまめに交換するほうを選びたい。でも社外品であることには変わりないので、安心が欲しい人は純正品を素直に使ったほうが良いと思う。価格差がべらぼうに大きいわけじゃないので。

※怪我に注意

ところで、カットしたエレメントの断面は非常に鋭利で危ない。皮膚なんて簡単に切れるので、必ず軍手やメカニックグローブなどを身に着けたうえで作業する必要がある。

実際油断したタイミングで指を切ってしまってかなり痛かった…。

オイルフィルターの分別や研究に便利

というわけで激安オイルフィルターカッターでオイルエレメントをカットしてみた。

オイルフィルターを分別して捨てることができるようになるので、処分代のコストが下がるし、なんならフィルターの金属部分は鉄くずとして売ることも可能。個人だと難しいが、車屋レベルならそのうちカッター代はそれで回収できるだろう。

またオイルエレメントという非分解部品をカットして中身をチェックできるのはちょっと楽しい。研究のためだけに様々なメーカーのエレメントを買ってみて切ってみたくなる。そうやってコストと性能のバランスに優れたエレメントを探してみるのも良いかもしれない。

激安オイルフィルターカッター自体は作りが微妙なところなどもあったのだが、目的は十分に達成できるし、何より安い。割と頻繁にオイル交換する人なら一つ持っておくと楽しくなるかもしれない。

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