フルバケットシートに必ず組み合わせなければならないパーツ、それがシートベルト(ハーネス)。特に純正の3点式シートベルトとの組み合わせはいまいちで、腰ではなく腹部にかかってしまうため、おそらく衝突時は腹部が圧迫されてしまうようにしか思えない(ただし公道では4点式以上のシートベルトの使用は不可)。
スポーツ走行をする多くの人は肩と腰ベルトがある4点式を選ぶのだが、僕は衝突時にサブマリン現象が起こるのを防止できる6点式シートベルトを選んでみた。
Sabelt CCS633UN
今回選んだのが、Sabeltの6点式シートベルトの中で最も安価に販売されているCCS633UN。特徴としては
- 6点式
- スチールアジャスター
- 肩・腰ベルト共に3インチ幅
- FIA公認(8853-2016)
などがあげられる。FIA公認なので安全安心なシートベルトだ。
製造年が1年落ちの物を選ぶことで安価に購入
一般的に6点式シートベルトは4点式よりも高価なのだが…、
今回は2019年製造品(製造から1年経過している物)を選ぶことで、割安に購入できた。
これはシートベルトの場合、公認レースで使用するために必要なFIA公認期間が5年間しかないため。つまり今回購入したものは、あと4年間しかレースで使用できない製品になってしまっているのだ。
もちろんクラッシュでもしない限り5年間でシートベルトがダメになってしまうことはないし、公認レースに出場しなければFIA公認なんて関係ない。僕のようなスポーツ走行だけ楽しんでいるようなユーザーは、タイミングを見計らってこういうものを選ぶと、お財布に優しく、かつ間違いなく安全なものを手に入れられる。
安全装備はきちんとしたものを
よくオークションなどで、正規品と比べてめちゃくちゃに安い偽物のシートベルトが販売されているが、あのようなものは飾りとしてならまだしも、実際にサーキットで使用するべきではない。
粗悪品を使用すると、上の動画のようにクラッシュ時にいとも簡単に根元の金具が引きちぎれてしまう。もはやシートベルトを装着していないのと同義で、これであれば純正の3点式シートベルトの方がはるかに安全だ。
3インチ幅のFIA公認6点式シートベルト
CCS633UNは肩ベルトと腰ベルトが3インチ幅、股ベルトが2インチ幅のシートベルト。最近はHANS用に肩ベルトが2インチ幅になっているものが販売されてはいるが、3インチでもHANSは使用できるので問題なし。ロータリーバックルは股ベルトに固定されている。
ちなみに、肩ベルトが2インチ幅の物はHANSとの併用時に限りFIA公認となっている。HANSを所有していないのであれば3インチ幅の物を選ぶべき。
ベルトはそこそこの柔らかさで、光沢のある質感。肩ベルトのSabeltロゴは正直少しチャチな印象があるが、特に気にするほどじゃないと思う。
FIA公認品を示すステッカーも確認できる。公認レースでは2024年まで使用できることも各ベルトごとに明記されている。
アジャスターはスチール製。テンションをかけた状態だと思った以上に簡単に伸ばすことができる。
- 取扱説明書
- アイボルト×6本
- ステッカー
- Sabeltロゴ入りベロクロ×4
- 割ピン×6
が付属していた。ベロクロと割ピンは何に使うのかさっぱりわからない。
シートベルトの取り付け
車両への取り付けは↑の記事を参照。またベルトと左腰ベルトはバックプレートを使って強固に固定した。
身体をがっちりシートに固定できる
6点式シートベルトの最も良いところ、それは4点式シートベルト以上にがっちりと身体を固定できることだ。
4点式の場合は、肩ベルトを締めあげると腰ベルトが上に上がってしまい、どうしてもベルトが骨盤に当たる位置を維持するのが難しい。しかし、6点式では縦方向を肩ベルトと股ベルトで固定してしまうので、腰ベルトは骨盤を抑える役目に集中できる。これによって、必要以上に締め付けなくとも4点式以上にしっかりと身体を固定することができる。
確かに股ベルトの存在は少し違和感があるが、適切に(股間のアレを覆うように)ポジショニングしてあげれば問題は無く、べダル操作への支障も無し。それよりも確実に固定できるメリットの方が大きいように思う。
ベルトはしなやかで、金具も適切な位置にあるので、締め付けても痛みは無かった。さすがFIA公認品なだけあって、ギューギューに締め付けても金具はミシリとも言わず、リリースもスムーズ。
廉価モデルながら非常に良くできている安全性の高いハーネス
ファッションで装着している人ならともかく、サーキットで使うために装着するのであれば、きちんとしたものを選ばないと何かあった時に必ず怪我をする。
正直なところFIA公認の6点式シートベルトであればどれもそこまで大きな性能差はないと思うが、Sabelt CCS633UNはその中でも安価に手に入り、かつ物としてもかなりしっかりしていることが分かった。コストパフォーマンスの高さが光るハーネスだと思う。
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