Daytona675や家族の所有するJB64型ジムニーにSUPAREEというメーカーのLEDヘッドライトバルブを付けたら、今度はその兄弟会社だというBORDANからD2S型のLEDヘッドライトバルブの提供を受けた。
なのでRX-8のロービームバルブを交換して、そのレビューを行っていく。
商品を提供されてはいるものの、レビューの内容に関しては自由なので、忖度無しでレビューしていきます。
純正HIDヘッドライトのLED化は一般的には難しい
HIDはハロゲンと動作原理が違い、12Vの車載電源をコントローラー(バラスト)で点灯直後は約2万V、安定動作後は約85Vまで昇圧させて、電極間の放電を光に変えている。
当然のことながら普通のLEDは2万Vなんていう電圧に耐えられないので、バラストを使わないように配線加工する必要があった。そんなのはやっぱりめんどくさいし、元に戻せないリスクも伴う。だから純正でHIDバルブのヘッドライトをLED化するのはこれまで難易度が高かった。
バラストを使ったままバルブ入れ替えだけでLED化
今回提供を受けたのはBORDANのD2S/D2R用LEDバルブは、その問題を完全に解決しているという。なんと純正35Wのバラストであれば、そのまま完全にバルブを入れ替えるだけでLED化できるという。それはちょっとすごい。
BORDANというブランドはAmazonや楽天で展開されているが、今回のD2S/D2R用バルブであるBD-CL1313-D2はSUPAREEの箱に入ってやってきた。メーカー曰く今後パッケージの変更などが行われる可能性があるらしい。
パッケージ正面や取扱説明書には「SP-CL1250-D2」という品番が書かれているが、パッケージ上部のバーコードやAmazon商品ページは「BD-CL1313-D2」という品番になっている。なのでこの記事では品番は「BD-CL1313-D2」で統一する。
箱の中身は取扱説明書とステッカー、手袋と、LEDバルブ本体。取扱説明書には汎用的な取り付け手順も書かれていて結構優しい。
BORDAN BD-CL1313-D2のスペック
BORDAN BD-CL1313-D2のスペックは以下の通り。
- 色温度:6,500K
- 明るさ:16,000ml
- 防水レベル:IP68
- 消費電力:片側35W
- LEDチップ:9054
- 内蔵ファン:内蔵、18,000RPM
- ノイズキャンセラー:内蔵
- 対応電圧:12V
- 寿命:50,000時間以上
- 保証:3年間
価格は通常で1万円ほどだが、クーポン配布やセールなどが頻繁に行われているため実売価格はおよそ7,000円前後とお手軽。
HIDバルブとの比較
LEDバルブはHIDバルブと比べればちょっと太さがあるが、基本的なサイズ感は全く同じ。冷却ファンを内蔵しており、銅製の放熱フィンや熱伝導体があるのが見て取れる。見た目はちょっと安っぽいシルバーに塗装されているが、これはこれまでのSUPAREEバルブと同様。全金属製なのでかなりしっかりした触り心地。
D2S/D2R兼用を謳っているが、シェードがないのとHIDに比べれば発光部分が大きいのが気になる。前期型RX-8のようにプロジェクタータイプなら問題ないはずだが、D2Rだと普通はバルブ自体にシェードが必要なはず。
カプラーオンで簡単装着
RX-8のロービームバルブ交換はタイヤを外してインナーフェンダーをめくってからじゃないとアクセスできないのがめんどくさい。詳しい方法は↓を参照。
バルブだけの交換なので当然防水カバーもしっかり閉まる。見た目にはLEDバルブを入れているとは全くわからない。
LEDらしいキレの良い点灯!
HIDは起動から20秒ぐらいしてやっと明るさが安定するが、BORDANのLEDバルブは点灯直後からほぼ100%の明るさで、LEDバルブらしいキレを見せる。HIDの起動の遅さは地味にストレスあるので、このスピード感が出るだけでも結構現代化された印象がある。
BORDANのLEDバルブ色は6500Kを謳うが、これまで付けていたPHILIPSのX-treme Ultinon(社外HIDバルブ)に比べると若干緑がかった白で、悪く言えば濁った色味に見える。これは今回のLEDバルブが採用しているLEDチップの特性だと思われる。白は白だけどあんまりきれいじゃない。
また冷却ファンの音も若干だが聞こえる。エンジンが動いていればほぼ気にならない程度の音量だが、「フィーン」というちょっと高めの音なので、超静かな環境だとちょっと気になるかもしれない。当然だが車内からは全く聞こえない。
で、数日にわたって様々な環境で使ってみたが、ラジオやオーディオに対してノイズが入ることは一切なかった。稀にそういう製品があるという話は聞くが、今のところSUPAREE/BORDAN製品でそれを経験したことがないので、内蔵されているノイズキャンセラーが優秀なのだろう。
HID比でも明るい!が照射範囲が微妙に思える
同一設定のカメラで撮影した様子がこれ。極力肉眼で見た様子に近くなるように設定したが、視界が一瞬でパッと明るくなるのが気持ちいい。5年間使用したPHILIPS X-treme Ultinon(社外HIDバルブ)に比べてはっきりと明るいなと思うぐらいには明るいし、ハロゲンのフォグランプを点けてもそれをかき消してしまうほど。長時間点灯していても明るさが落ちるような感じもなかった。
カットラインも目視で確認できる範囲ではしっかりしている。LEDらしく直線的な光で陰影がはっきりするので、道路上の物体や歩行者なども確認しやすい。
ただし、緑がかった色味は個人的には結構気になる。真っ白とはいい難く、変に濁った色に見えるので微妙に気になり続ける。僕の手元に届いたLEDチップの個体差の可能性はもちろんあるが、正直好みではない。
また最大の問題が、手前側のほうが明るく照らされて、実際に走っていて見たい部分がはっきりと照射されていない。もちろん光は前に飛んでいるし、光軸も大きくは狂っていないはずなのだが、一番見たい場所がいまいち明るくなくて困る。
もしかしたらこれはRX-8のヘッドライト位置が低すぎて発生する問題かもしない。が、今までのHIDバルブだと気にならなかったのでバルブの問題かもしれない。
実際このバルブを装着して昼夜を問わず市街地から高速道路までしばらく走ったのだが、
- もうちょっとだけ前を明るく照らして欲しい
- 微妙に緑色の色味が変に感じる
の2点がどうしても気になってしょうがなかった。
取り付けは超簡単だし、LEDらしいキレの良さや長時間点灯時の安定性も十分で、価格もお手頃。SUVのようなヘッドライト位置が高いクルマなら照射範囲は気にならないかもしれないし、色味も個体によっては問題ない程度かもしれない。が、僕のRX-8にはいまいち合わなかった。
@176347km
バルブ交換作業は総走行距離176347kmのときに行った。
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