僕のRX-8のサスペンションはBRITZ ZZ-Rを使っている。スプリングはフロントにLARGUSの12K-200mm、リアにLARGUSの10K-150mmを使い、街乗りからサーキットまで割とオールマイティに走れて、タイムもそこそこ出る悪くない仕上がりに満足していた。
ただ、出てるタイムから言えばスプリングが少し柔らかめで、軽量化を全くしていないこともあって車の動きもちょっと大きい。僕はむしろ車を積極的にロールさせて乗りたいなと思っていたのでそれでも良かったのだが、ここでセッティングを大幅に変えてみるのも悪くないなと考えた。
レートアップ&リアにアシストスプリングを装着
レートアップさせたいが、僕のRX-8は純正トルセンLSDが装着されているので、特にリアは固くして伸びストロークが減るとトラクション不足に陥りがちになることが予想される。現状でも結構イン側のリアタイヤが空転してしまうことが多いので、この辺りの対策はしっかりと考えねばならない。
妄想に妄想を重ねて購入したスプリングがこちら。
まずフロント用にはLARGUS RSスプリング ID62-180mm-16K。これまでは12Kだったので4Kのレートアップ。長さは200mmから短くして180mmに変更した。自由長は実測で183mmだった。
LARGUSのRSスプリングは、高反発型ともいわれる、レートが立ち上がりやすいタイプのスプリング。低反発型のSSスプリングもあるが、どう考えてもヘタってる僕のBRITZ ZZ-Rダンパーには高反発型じゃないとうまく動作しないだろうと考えた。標準の黒いバネにしなかったのは単純に値段が変わらなかったため。でもRSスプリングだとかっこいい化粧箱に入ってて、なんかいい感じ。
今回フロントの自由長を短くしたのは機敏な動きを作り出したいのと、リアのバネの長さが変わることに合わせた2つの理由がある。
リア用には同じくLARGUSのRSスプリング ID62-100mm-14K。こちらも4Kのレートアップ。自由長は実測で104mmだった。前後どちらのRSスプリングも表記より若干長いのはヘタリを考慮しているから?
元々つけていたスプリングの150mmからかなり短くしたその訳は、
サブスプリングを追加するため。これはNavicという軽自動車専門チューニングショップが出しているオリジナルパーツで、その名も「トラクションスプリング」。
説明によればID65、自由長48mm、密着荷重150kg、密着長28mmとなっている。密着までのストローク長(有効ストローク長)は20mmなので、150kg÷20mm=7.5kmf/mmのスプリングレートを持っている計算になる。自由長は実測で45mmとちょっと短かった。
密着荷重は150kg。RX-8のリアの場合は1G時にダンパーに掛かる荷重は310kgなので、1Gでは完全に線形密着する。
このスプリングを選んだ理由は単純で、
- なるべくレートが高い
- なるべく有効ストローク長が短い
- なるべく自由長が短い
- そこそこ安い
の4つを満たしていたから。特に20mmという有効ストローク長の短さはとても嬉しい。メインスプリングにあまりプリロードをかけたくなかったので、これならほぼ僕の要求を満たしてくれる。
というわけでこれが前後セット。ちなみにリアのセンターシート(スプリングの間に挟まる物)は偶然入手した恐らくCRAFTZのジュラコン製。ID63用だが問題なく使えた。
BRITZ ZZ-Rに組付け
というわけでサクッと車高調を車から外してスプリングを組み付ける。
今回は久々に車高調を外したので、ばらせるところはバラして洗浄しておいた。確認できる限りでオイル漏れはないし、バンプラバーとか少し汚れているが全然壊れてないし、BRITZ ZZ-Rは安いけどきちんとした設定で使えば結構長持ちするんだなぁと再確認。
まぁ中身のダンパーオイルとかはとっくの昔に劣化しきって元の性能は発揮できていないだろうけど、減衰もかかるので良しとする。
フロントのバネは20mm短くなり、リアはツインスプリングで今までとほぼ同等の長さに。しかし自由量100mmのスプリングは短い…。
とりあえず前後共にプリロードはほぼゼロで組みつけた。サブスプリングは作動長のセットアップをするときに見やすくなるように下側に配置。車高はこれまでと変わらない数値になるように計算して組み立てた。
計算上、リアの伸びストロークは11mm伸びる
アシストスプリングを入れたのは、先述の通りリアタイヤの空転を防ぐために伸びストロークを伸ばしたいから。
RX-8のリアダンパー荷重は1Gで310kgf。計算すると、1G時でのリアのストローク量は、今までは
310kgf÷10kgf/mm=31mm
だったが、14K+7.5Kをプリロードゼロで組んだ今回は、
310kgf÷14kgf/mm+20mm≒42.14mm
となった。42.1-31=11.1mmだけ伸びストロークが伸びる計算になる。この11mmの差が実際どれぐらい効くのかは…まだよくわからない。
ちなみにフロントは、ダンパー荷重が1Gで500.25kgfなので、
12Kのとき:500.25÷12=41.69mm
16Kのとき:500.25÷16=31.27mm
で、ほぼ10mm伸びストロークが減少。FR車のフロントに関しては、サーキットを走るうえでは伸びストロークがそんなに長い必要がないのでOK。
乗り心地はレートアップ分だけ多少悪化
とりあえず街乗りのためにこれまでと同じ減衰(前後共に最弱から8段目)に設定して走ってみた。そうしたらスプリングが固くなった分だけ硬さを感じる上に、段差を超えると揺れの収まりが良くない。12段目まで上げてみたら逆に減衰が聞きすぎてゴツゴツした印象だったので、10段目に設定したところ、まぁ許容範囲かなという乗り心地になった。ただやっぱり硬い。バネが短くなった影響もあるかもしれないし、LARGUSのRSスプリングはいわゆる高反発型のスプリングなので、その影響もあるかもしれない。
リアのサブスプリングによる乗り心地の変化は…よくわからない。少なくとも普通に定常走行している限りでは、ただ単にリアが固くなった分だけゴツゴツする印象しかない。
ただ自宅の駐車場が少し傾斜があるせいで腹下をすったりリアタイヤがほんの僅かに浮いて空転しがちなのだが、それが若干改善されたような気がする。
@177114km
作業は総走行距離177114kmのときに行った。
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