サーキット走行でタイムを削るための必須アイテムの一つがエアゲージ。最大のグリップを引き出すためにタイヤの空気圧を測って調整する道具だが、その空気圧調整をかなりシビアに管理している人が世の中には結構存在する。僕がRX-8で走る時は「まぁこんなもんでいいだろ」と思いながらやっていることもそれなりにあるが、人によってはマジでシビアに、それこそ1kPa単位で気にしている。

ただ、実は↑みたいなよくあるアナログエアゲージは構造的にそこまで高精度を望めない。「ブルドン管」という、丸めた金属パイプが空気圧で戻ろうとする動きを針の動きに変換する仕組み上、外気温や振動や経年劣化でそれなりに狂ってしまうし、なかなか高い精度を出すのが難しい。
実際、ゲージボタルで有名な旭産業株式会社の高精度モデル(MTS-5)でも、測定精度は±3kPaとなっている。

3kPaなんて誤差の範囲といえば誤差の範囲なのだが、その差が気になり始めるともう気になって仕方がない人もいる。それを気にしなくて済むために、なるべく高精度なエアゲージを買ってみた。
Longacre プロデジタルエアゲージ(52-53000)



というわけで買ったのがLongacreプロデジタルエアゲージ(52-53000)。このエアゲージ、何がすごいかって、
- 計測精度が±0.3%以下
- 分解能は1kPa
- 0~60PSI(≒413.7kPa)まで計測可能
- 2026年時点で実売3万円程度
というコストと精度の両立。高精度なエアゲージは値段も高くなるが、このエアゲージはその中では比較的安価。デジタルエアゲージの中には精度±0.1%以下を謳うものもあるし、4輪の温間・冷間を記録できるタイプもあるが、価格も高いし、個人的にはシンプルなエアゲージが好きなのでこれを選んだ。

付属品は本体、丸形エアチャック、取扱説明書、キャリングケースと極めてシンプル。
ちなみにLongacre製品は日本ではあまり正規販売されていない。今回買ったのはAmazon USAから個人輸入したもの。
操作方法は超シンプル

操作方法は超シンプル。電源ボタン(ON/OFFボタン)を押すと電源が入り、1秒程度で計測できる状態になる。あとはアナログエアゲージと同じ様に測るだけ。減圧ボタンを押している最中も現在の空気圧がほぼリアルタイムで表示される。
電源ボタンをもう一度押すと電源がOFFになる。また1分以上無操作・無計測状態が続くと自動で電源がOFFになる。液晶はバックライトが適度に明るく、コントラストも高いので見やすい。

また「ZERO」ボタンを長押しすると単位を
- PSI
- BAR
- kPa
の3つから選べる。日本で使うならBARかkPaのどちらかにしておけばOK。任意の単位に設定したら、電源を付け直しても再びその単位で計測できる。

Longacreプロデジタルエアゲージ(52-53000)は減圧ボタンが2つあるが、これは素早く圧力を抜くため。普通に空気圧を調整する時はどちらか一個を押せば良い。

エアチャックは斜めだがかなり小型。剛性感がかなり高く、エアバルブに差し込んでもエア漏れは最小限に抑えられている。丸形チャックも付属。
スイベルはエアチャック側にのみ搭載されている。これで十分といえば十分だが、できればエアホースの両端がスイベルになっているとよりスムーズに操作できてよかった。エアホースが長くてしなやかなだけに、スイベルにはもうちょっと拘って欲しいところ。
計測精度±0.3%以下
Longacreプロデジタルエアゲージ(52-53000)の計測精度が0.3%ということは、ほぼ最大値の400kPaを計測しても398.8~401.2kPaの間の何処かにいるということ。これはもうほぼ間違いなく400kPaを計測できていると言っても過言ではない。
実際の所、車でサーキット走行をするなら200kPa前後の計測がほとんど。200kPaなら199.4~200.6kPaの範囲で、1kPaのズレもない。しかもデジタル式のエアゲージなので、アナログエアゲージに比べると外気温や振動による狂いはかなり少なくなる。これなら1kPaの差を気にする神経質な人も黙らせることが出来る。
まぁ1kPaの差なんて体感できないけど…。

どこまで低圧まで測れるか試してみたら、なんと1kPaまで測ることができた。この領域を計測することはまず無いが、一般的なタイヤ用のアナログエアゲージじゃ測れない空気圧まで測ることが出来るのはすごい。
単4電池で駆動
Longacreプロデジタルエアゲージ(52-53000)の良いところは、バッテリーが単4電池だということ。デジタルエアゲージはバッテリー切れが一番心配なポイントだが、単4電池ならコンビニやスーパーマーケットでも必ず買える。



電池は保護ケースを取って、精密ドライバーでプラスネジを外せば交換できる。電池の蓋は明らかに非防水なので、雨天での使用は少し気にしたほうが良いかも。
エアゲージ本体はプラスチック筐体で、軽量なのは嬉しいが若干安っぽさもある。

ちなみにこの保護ケース、エアゲージ本体より若干大きいために、はめていてもわずかにカパカパする。実用上問題はないとは言え、安っぽい印象になってとてももったいない。そこそこいい値段するのに…。
Longacre ベーシックデジタルエアゲージ(52-53006)との比較

僕は先日これの廉価モデルであるベーシックデジタルエアゲージ(52-53006)も買っている。実は52-53006の「2kPa単位でしか計測できない」のがちょっと嫌で今回52-53000を買ったのだが、それ以外にもちらほら違いがあるので紹介する。

| Pro 52-53000 | Basic 52-53006 | |
|---|---|---|
| 精度 | ±0.3% | ±0.8% |
| 計測範囲 | 0-60PSI | 0-60PSI |
| 分解能 | 1PSI (1kPa) | 2PSI (2kPa) |
| フェイスサイズ | 3インチ | 2インチ |
| バックライト | あり | 無し |
| モニターサイズ(実測) | 44×16mm | 23×14mm |
| 調整バルブ | 2つ | 1つ |
| バッテリー | 単4電池×2 | LR44ボタン電池×2 |
| ホース長(実測) | 435mm | 365mm |
| 重量(実測) | 311g | 223g |
| 定価 | $54.99 | $157.99 |

精度と分解能が高い意外の一番の違いは、フェイスサイズの大きさとバックライトの有無。特に52-53000は液晶画面の上下めいいっぱいに数字が表示されるので、実際のフェイスサイズ以上に大きく見えるのが良い。
52-53006を少し暗いところで使用した所若干の見づらさを覚えたのだが、52-53000ならバックライトがあるので視認性はかなり高い。また52-53006と違い、52-53000は自分で電源を切れるのも地味ながらいい。ただ立ち上がりは52-53006のほうが若干早い。
エアチャックは両方とも同じだが、エアホースが長い分だけ52-53000のほうが自由度が高い感じがする。52-53006でも十分な長さがあるのであまり気にはならないが。エアの調整バルブは両方とも操作感が良く、1kPa単位での調整もきちんとできる。
どちらもかなり使い勝手は良いので、分解能が2kPaな点を許容できれば52-53006のコストパフォーマンスの高さはかなり魅力的。極度なこだわり屋でなければ1万円以下で買えるエアゲージのほうが良いに決まっている。
高精度測定が可能なシンプルエアゲージ
実際にLongacreプロデジタルエアゲージ(52-53000)をしばらく使ってみて感じた、いいところと悪いところはこんな感じ。

- ±0.3%の高精度と1kPaの分解能
- シンプルで必要十分な機能
- アナログエアゲージとほぼ同じ感覚で使える
- バックライト付きモニターで暗いところでも視認性が抜群
- エアホースが長く、チャック部分にスイベルがあるので取り回しが良い
- エアチャックが使いやすい
- 空気圧の微調整が利く調整弁
- 1kPaの超低圧まで計測できる
- 非防水
- 所々に安っぽさがある
- スイベルはホース両端に欲しい
- ホールド機能や記録機能が無いので、デジタルならではの多機能を求める人には向いていない
- 値段が3万円弱
- Amazonで個人輸入できるが、国内正規販売ルートが少ない
使い勝手に関しては文句なし。1kPa単位できっちり調整できるし、とにかくモニターが周囲の明るさに左右されずいつも見やすい。デジタル故に外気温などに左右されない安定感もいいし、同サイズのアナログゲージよりも軽量で取り回しが良好。
サーキット向けにシンプルながら高精度なものが欲しいという人にはおすすめできる一品であることには間違いない。ちょっと値段は高いけど。


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